あとがき


 お手にとっていただき、ありがとうございました。


 作品外で「こんなメッセージを込めました」と語るのも野暮な話ですが、実を言うと応募する空色杯のテーマとなる「小暑」も「アイビーグリーン」もどちらも僕の苦手とする部分で。

 なので過ぎたるは及ばざるが如しというか、前篇で描いたように「自然も良いけれど、多すぎても嫌だよね」という部分を伝えたい気持ちで執筆しました。

 きっと多くの方々が「小暑の良さ」「アイビーグリーンの素敵な情景」を題材にしそうな気がしますので、一作くらい暑さが強まるのが辛かったり草木の匂いにウンザリしている作品があってもいい気がします。また、私生活の方や先日応募完了した公募について気か滅入る状態を少し自覚しているので、その辺りの精神状態も反映された作品となっております。


【The Last of Us】

 元はゲーム作品であり、僕はゲームを通して知り合ったネットの友人に薦められて後発のドラマ版のみ触れたSFなのですが、心に残る良い作品でした。

 作中でゾンビや菌糸類を取り扱っていたり、文明が手の施しようのないレベルまで衰退してしまった描写が気に入ったので本作に反映しています。また、吹き替え版の主人公を演じる山寺宏一さんの演技が光ることと、もう一人の主人公とも言える少女がエリーという名前だったので後篇に登場するキャラクターの名前を山寺恵莉エリに決めました。ややもすれば植物に冒される人間だとかパクリか? と思われそうな気がしなくもない本作ですが本家に敬意を払った上でのインスパイアであり工夫もしたと御理解いただければ、これ幸いと存じます。


【果たしてSFなのかなぁ】

 あらもありますし、これまたSF警察に燃やされそうで怖い気持ちがありつつ、僕の中ではSFだと思って執筆しています。もし「邪なる緑の惑星」がお口に合うようでしたら、なんというか「そんなレベルのSF」として「三十億人目の少年」という短編の読み切りもございますので是非、お楽しみいただければと思います。


【空色杯】

 本作然り、三十億人目の少年然り、空色杯という場が存在しなければ思いつくことすらない物語でした。そして、どちらもとても楽しく書けました。ですので主催の天野蒼空様をはじめとする企画管理に携わる方々に、この場を借りて深く感謝を申し上げます。

 ただ、個人的には「季節×色」をテーマとするよりも「書き出しか文末に特定のフレーズを」という縛りだった頃の方が……実は……好きです、と小声で書き添えておきます。


【三十億人目の少年】

https://kakuyomu.jp/works/16818093073496265580

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