第6話 君はお姉ちゃんが足りない
「え、え……ええ!? お、お兄ちゃん!? なんか、急に男の子同士が脱ぎ始めて学校で……始めちゃったんだけど! 私の読み間違いじゃないよね!」
「え? ビーエル? ボーイズラブ!?」
「……ッ!? これエッチなやつだったの!?」
「タイトルで気づいてた? もうお兄ちゃん! 気づいてたなら最初から言ってよ! なんで実の兄とエッチの小説を読んでるの! 信じられない!」
「あーあ、騙された……お姉ちゃん悪役令嬢とかしか書いてないよって言ってたのに……エッチなやつも普通に書いてるし……」
「あーもう……お姉ちゃんが書いたエッチな文章をお兄ちゃんと一緒に読むって……家族同士で何やってるんだろうアタシ……凄い悲しくなってきた……」
「うう……わかった。落ち着く……」
「でも、結局どれ読めば良いかわからないし、やっぱり直接お姉ちゃんに聞こうか」
「……え? そう言えばお姉ちゃんに全然会って無い?」
「どれぐらい会ってないの?」
「ええええええ!? 半年近く!?」
「嘘でしょ!? 家族なのに!? 何で!?」
「お、お兄ちゃんとお姉ちゃんって……仲悪かったっけ?」
「……え? なんか避けられてる気がしてた? お兄ちゃん何かお姉ちゃんに変な事した?」
「どうせお兄ちゃんヘンタイだから、お姉ちゃんに変な事したんでしょ! お姉ちゃん胸大きいし、引きこもりだけどスタイル良いし、オドオドしてるけど眼鏡外すと美人だしね! アタシみたいに!」
「姉弟でそんな事しない? 本当かなー?」
「じゃあ、お兄ちゃんはお姉ちゃんに拒否される身に覚えがないって事なんだね?」
「えー……大丈夫かな……」
「考えててもしょうがないし、それじゃあお姉ちゃんの部屋行こっか!」
(2人で立ち上がり部屋を出て廊下をミシミシと歩く。すぐ近くの部屋の前に立ち、妹がノックする)
「お姉ちゃん、お兄ちゃんと一緒に部屋入るねぇ!」
(ドアの奥からの声)
「ヒェェェ!?」
「お姉ちゃん入るねぇ!」
(気にせず妹がドアをガチャリと開ける)
「お姉ちゃん、何で布団の中に隠れてるの?」
「え、えっと……お、お化粧、してないから……」
「兄妹なんだから良いでしょ! いいから出てこい!」
(掛け布団を一気に剥がされる)
「ヒィィ!?」
「うわっ、お姉ちゃん汗臭い! お風呂入ってる?」
「は、入ってるよ……3日前に」
「ええ! ちょっとやめてよ毎日入ってよ!」
「ちょ、ちょっと作業が多くて……漫画原案の仕事とかやってたから……」
「もう……わかったからお姉ちゃん座って」
(姉が布団から移動する為の擦れる音のあと、勉強机に戻らされて椅子に座る音)
(その後、妹がわざとらしく咳払いする)
「今日はお兄ちゃんが、お姉ちゃんに聞きたい事あるんだって! だから連れてきたんだ!」
「ひえぇ!?」
「何でびっくりしてるの?」
「わ……私なんかに、きき聞きたい事って……そ、そのぉ……私みたいな社会不適合者でいろいろ終わってる姉に答えられる恋愛相談なんてないってよぉ……喪女で恋愛経験もゼロだからぁあ!」
「お姉ちゃん急に叫んで泣かないでよ! お姉ちゃんの恋愛経験なんて期待してないってば!」
「お兄ちゃんが、小説書いてるんだって」
「……ぇ?」
(頷き、服が擦れる音)
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