15 お祭りエッセイ②

 お祭りは小学校の頃、家族で行ったり、自宅近くの神社のお祭であれば一人で行ったりした。


 友達とはあまり行っていない。


 高校でこそ、部活の仲間と行くことはあったが、中学では無かった。

 真面目一辺倒で、お祭りに行くのは不良のイメージ。家族と行く歳ではなくなって、かといって友達に声を掛ける勇気もない。


 『面倒臭いから』は、すべてを楽にしてくれる魔法の言葉だった。

 行きたくなかったわけではないのだ。


 中学時代は黒歴史。

 あまり思い出したくないことも多い。


 だから、いま目の前で友達と集まって、お祭りを回る小学生の息子を見ると、ホッとする。


 友達と行きたいから行く。

 楽しそうだから行く。

 お祭りだから行く。

 みんな行くから行く。


 感情のままに、シンプルに行動している彼を見て、嬉しくなってくる。


 お前は俺に似ているけど、俺と違う。

 違っていいし、違って欲しい。

 まだ、友達だけで行って来いとは言えないけど、中学生になったら好きにすればいい。だから、友達と行けよ。

 俺みたいにひねくれないでくれな。


 祭りも、昔と比べれば、少しずつ変わっている。だけど、祭囃子やにぎやかな空気は変わらない。

 昔を思い出して、あの頃の自分の姿を、彼の後ろ姿に見た気がした。

 でも少し違う。

 在りし日の姿ではなく、在りし日に、在りたかった姿が重なる。


 祭りは神事。

 心を癒してくれる不思議な力があるかもしれない。

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時々、詩やエッセイ マサムネ @masamune1982318

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