面倒くさい

面倒くさい

面倒くさい。


朝、起きることが。


面倒くさい。


ご飯を食べることが。


面倒くさい。


仕事をすることが。


面倒くさい。


表面的な友達関係が。


面倒くさい。


息をすることが。


面倒くさい。


お風呂に入ることが。


面倒くさい。


生きていることが――……。


どうしたら、この面倒くさい、と言う感情がなくなるのか、私には解らない。


出来れば、楽にこの世から居なくなりたい。


それは、愚かな考えだろうか?


例えば、猫が羨ましいと思う事。


例えば、綺麗な花が枯れて行く事。


例えば、痛みなく、この世から消えることが出来たら、私はきっとそれを選ぶ。


だけど、人は言うんだ。


『生きろ』って。


『頑張れ』って。


それほど、胸に影を落とす言葉は無い。


痛みなく、眠るように、この人生を終えることが出来るのなら、私はきっと、何もかもを捨てるだろう。


だけど、それは出来ない。


そんな、都合の良い消え方はない。


だから、人は生きる。


希望など、無いに等しいこの世の中で、私は何度も生きることを放棄した。


それでも、しぶとく生きていることに、私は、苛立ちと興奮を憶えている。


生きてて良いのか……と、思う。


生きてて良いんだ……と、確信する。


それは、我儘な私の、とんでもない羞恥の塊だ。


只、面倒くさいのなら、生きてることを放棄するのなら、今更だ。


もう、この世に生を受けて、幾年になるだろう?


それでも、しぶとく生きているのだから、きっと、私は生きることに前向きなのだ。


何度死にかけても、何度消えようとしても、私はこうして生きている。


それが、生きることの証明だ。


何に面倒くさいと思おうが、結局、私は何処かの屋上から身を投げる勇気はない。


つまり、私はビビりで、


何が言いたいか、私は、生きることを何処かで喜んでいるのだ。


それが継続される限り、私は生きなければならないのだろう。


面倒くさい。


猫になりたい。


眠り続けたい。


すると寝違える。首が痛い。生きていると実感せざるを得ない。


こんな想いまでして、私は生きてゆく事を辞めない。


時に、失敗した自殺未遂を、馬鹿のように繰り返し、それは結局、死ぬ気などなかったのだろうと、恥ずかしながら思う。


どうか、消えることを祈る。


面倒くさい、その感情が、いつか、生きていきたい……と思う事を自然な勇気として、この世に当たり前に存在することを、証明したい。


こんな私がだ。


面倒くさい。生きることは、難しい。


生きることは、他人任せで動けない。


只思うのは、こうして巡り会った人たちが、私に意味を問いかけるようになってゆく。


いつか、私が私であることを、嬉しく思えたのなら、それは、面倒くさいほど、


生きている証拠だ。

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面倒くさい @m-amiya

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