EP1 非日常の始まり
「おっ、合格している」
「お前軽くね?超名門校なんだからもっとよ喜べよな、って合格してる!?やったーーーー」
お手本なような喜びをしているな、こいつ。俺の手を掴んでブンブンと振ってくる。それにおまけして飛び跳ねてる。
いや喜んでいる人は沢山いるけどさここまでの奴はいないからな。
勿論不合格で悲しそうにしている人も居る。それなのに目立つようにしているから視線が本当に痛い。
「おい、もう確認終わっんだから帰るぞ」
これ以上ここに居たくない一心で
「わりーわりー」
帰り道の途中、親友が突然謝ってきた。
「いつものことだろ。もう慣れたよ」
「じゃあもうチャラに…」
「それとこれとは話が別だわ、快斗」
俺の親友、
快斗とはふと物心ついたときからから一時期を除いて、ずっと一緒にいた幼馴染だ。こういうのを腐れ縁と言うのかな?頭がちょっとあれだけだ運動神経は抜群で、基本どのスポーツも完璧にこなせる天才ともいえる。どのスポーツもできるの普通に考えたら反則的じゃない?
「それはそうとしてさ」
逃げたな、こいつ
「お前はどんな異能力が欲しい?」
異能力。この世に存在するものとは思えない謎の力。いつからあったか、どのようにして授かるのか何もかもが謎。解明しようと各国が協力しているとの話もあるがそれでも何にも判明しないらしい。このことからも現代科学の力なんて比べものにもならないものだとわかる。
そんな不思議な力は或る時に突然授かる。
それは中学生となる年の4月1日、つまりエイプリルフールの日だ。嘘みたいな話だよね。エイプリルフールの冗談とでも言うのか。でもこれが本当の話なんだ。
それに異能力にも強さ?とでも言うのがあって確か上位からrankSS+、SS、S+、S、A+、A、B+、B、C+、C、D+、D、E+、E、F+、Fと言った計16段階に細かく分かれている。上位のrankの異能力ほど希少性が高く、社会的地位も高くなる。rankSS+の異能力を引いた暁には人生勝ち組コースまっしぐらと言われているレベルだ。
「そうだな…やっぱり上位のrankの異能力にも憧れるけどな。でもそんなの夢物語だしrankBでもあればいいかな」
「夢ねえーな、お前」
「じゃあ快斗はどうなんだよ?」
「やっぱ狙うは最強の異能力だろ。俺が狙うのはrankSS+を超越するrankSSSの能力だ」
「はー?あんなの都市伝説だろ」
rankSSS。人々の間で噂程度に囁かれている16階級に属さないrankの異能力の1つだ。まあ都市伝説レベルの話だが。
「もしかしたらあるかもだろ。少しは夢も持つた方がいいぞ」
「まあ夢くらいは持つようにするよ」
そのまま異能力やあの学園のことを話しながら分かれ道に着いた。
「じゃあ俺こっちだから」
「もうか。じゃーな」
快斗と別れた俺は早歩きで住処に向かっていった。異能力そして学園のことを考えながら…。
今の住処に着いた俺は真っ先にスマホに手を伸ばした。実際このスマホも謎だらけなのだ。いつからかもう覚えていないが気づいた時にはもう持っていたからな。それに普通のスマホとは何もかもが違うし。まずバッテリーというものがなく充電せずとも基本は無限に使える。それに外側や内部構造の劣化は起きない。衝撃吸収でも備わっているのか高いところから落としても無傷だし。データ通信量も無制限のため本当に無限に使える。まあこのスマホの中のプロフィールには個人情報がごまんと乗っているし、本人以外が使ったら不味いものもある。だから他者の干渉阻止の為に本人以外では絶対に開かない。それに現代科学の力は勿論、ある一部の異能力以外ではまったくとこれには干渉できないからハッキングやウイルスにも対策されている。持ち主が死ぬとスマホの何もかもの情報が消えるオマケ付きだ。ここまでくるともう何でもありだ。
俺はいざ手を付けたもののやることもなくプロフィールを開いた。良い加減自己紹介をしないとだしね。
俺の名前は
学校名のところに私立『柏木異能力特化養成学園』合格と書いている。1ヶ月後に入学する学校だ。全国でも五本指に入るレベルの学校で異能力の養成に特に力を入れている。
ちょっとここで説明。この世界は小学校6年の後に異能力学習所に2年入ることになっている。だから年齢が普通とズレている訳なんだよね。
もう1ヶ月後には異能力を授かり略称『柏木能学』に入学していつもとは違う日常が始まるのか。そう思うと楽しみと思う同時に恐怖を感じる。中学生以降、まあ正しくは異能力を持っているということはあれができるようになってしまうからな。
そこから1ヶ月その間にも色々あった。学習所の卒業式やクラスメイトと遊びにいったり、独学で勉強していたりと。そんなこんな過ごしていると本当にあっという間だと余計感じた。
ついて遂にその時がきた。
4月1日11時59分。あと1分で遂に異能力を授かる。正直これで人生の半分くらいから決まるからすっっっごく緊張する。
チクチクチクチクチク。時計の秒針が刻を奏でる音がより大きく感じる。深呼吸をして心身を整える。遂に来るのだ。
時計の針が3本が綺麗に重なった。その刹那スマホに通知がきた。あなたの異能力についてと。もう一回深呼吸をしてから異能力について確認した。
朝倉陽翔様
異能力『ーーーーーー』
rankSS+
「、、、はっ?」
信じられなかった。自分の異能力とrankが。最強のSS+の異能力を俺が引いたのだ。そんな奇跡があるなんて思いもしなかった。
早速使ってみたいと思って俺は今使ってみようとした。そんなときのこと電話がきた。まああいつからか、そう思って見てみると見知らぬ番号だった。一応は出てみよう、そう思って通話ボタンに手を伸ばした。
異能力がある世界での無茶苦茶な生活!? 柏木凪斗 @kashiwagi1you
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異能力がある世界での無茶苦茶な生活!?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます