第18話  ケンカ

レイカが「ヨウイチさん。私は…」と言う前に、ヨウイチは「お前は、俺がいながら、仕事をしながら頑張っている俺を笑って居たのか?平気で知らない男と笑って居たのか?」と言う大きな声が家中に響き渡っていた。

ヨウイチが「もう、知らない。俺は、レイカと一緒に楽しく話をして居た学生時代に戻りたい」と泣き崩れていた。

ハルマは「お父さん。出て行くの?」とガッカリした様な様子で、ヨウイチを見ていた。

ヨウイチが「ハルマ、ごめんな。お父さんは、お父さんらしい事を今まで何も出来ていなかったと思う。元気でいろよ」とハルマに声を掛けて、ヨウイチは大きな黒いバッグとキャリーケースを引きながら家を出て行った。

机には離婚届けが紙一枚でハンコを押して、ヨウイチの名前が書かれていた。

離婚届けにハンコを押す気になれず、レイカは「ううう。何で、私を信じてくれなかったの?」と机に顔を付けて泣いていた。

レイカが「ヨウイチさん?はぁー。」と溜息を吐きながら、お酒に溺れて行った。

ハルマが「お母さん。僕は、お母さん達が今まで笑っていた時の思い出が鮮明に残って居て、もう、あの時に戻れないかと思うと寂しくて仕方ないよ」と夜の夜景を眺めていた。

レイカが「お酒ないの?」とまだ、飲む気でいた。

ハルマは、そんな母親を見るのが怖くて、家を出た。

大学生らしき男性が前の方を歩いているのを見て「あれ?タイラお兄ちゃん?」とハルマが目を潤ませてこちらを見ていた。

タイラが「あれ?ハルマ君。どうしたの?こんな所で」とハルマに気づいて驚いて居た。

ハルマが「お兄ちゃん助けて…。お母さんがお父さんに離婚届け出されて、家を出て行っちゃって、お母さんお酒ばかり飲んでる」とタイラに助けを求めに来たのだ。

タイラが「分かった。今行くよ」とハルマの後を追って家に向かって行った。

レイカが「ハルマどこに行っていたの?探したのよ」とハルマの心配をしていたら、タイラが来て「あの、すみません。他人様の事なのであまりお話し出来ないのですが、レイカさんの本当の気持ちを旦那さんに伝えに行った方がいいです」とレイカに気持ちを伝えた。

レイカは、「そんなの今更遅いわよ?どこにヨウイチさんが居るかわからないから」とタイラに話し掛けた。

タイラが「早くしないと旦那さん見失っちゃいますよ」とレイカに話をして、タイラと一緒にレイカがヨウイチを探しに行った。

他の女性と笑ってラブホテルに入って行こうとして居た時に、「ヨウイチさん。私は、諦められなくて、やっぱりヨウイチさんの居ない生活は考えられないから、また考え直して欲しい」と真剣な顔をして気持ちを伝えた。

タイラが居て「僕は、レイカさんとはそんな恋人でも、結婚相手でもないので安心して下さい」とヨウイチに話をした。

ヨウイチが「そうか。なら安心したよ。俺も少し考えて居たんだ。レイカと居た方が楽しかったなんて思う時がある」と言う気持ちを聞いて、レイカは「ありがとう。ヨウイチさんがそうやって大切に思ってくれて嬉しい」と涙を流してヨウイチと、タイラとハルマとレイカは肩を並べて皆で家に帰って行ったのだった。







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君をみつけた 影山 みはつ @mihatsu338

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