まず何より先に一言、すごく面白かったです! 和風ファンタジーとして、和の情緒あふれる文体や、各話タイトルの創意工夫。個人的に好きな雰囲気が盛りだくさんで、終始楽しませていただきました。 物語としては、ヒロインである茜子さんの不遇を、ヒーローの千迅が癒やすように重ねていく逢瀬が見所! 火が燻るように焦れる恋模様が迎える結末は……ネタバレは避けますが、まさに必見、必ずやグッと来るはずです! 和風ファンタジーの情緒に溢れ、浸るような溺愛の温かさが心地よい……是非ともご一読、オススメします!
容姿を理由に家族に不遇の扱いを受ける茜子。楽しみは、夢の中の君との逢瀬だけ。そんな君が、夢の中で結婚を申し込んできて……兎に角二人のじれじれの恋の駆け引きが最高です。いっそ夢の中だからと、妻問いに訪れる男――千迅(ちはや)に対して、肌に触れさせないどころか、顔も見せない強気っぷり。また千迅が熱心に通う姿もキュンとしてしまいます!もう、二人の関係と逢瀬の数々!現実から逃げ出したい程に酷だからこそ、夢の逢瀬がまた色濃く濃密に思えてなりません。じれっじれの逢瀬、オススメです。
最後の最後までハラハラ、ドキドキしました。また、作者様の知識量が凄いです。世界観もさることながら、平安時代独特の単語が雅!思わずほうっとため息がでるほど、言葉の取り合わせが美しいです。「十三夜の月」「花細し桜」などなど、この時代でこそ輝く言葉たち。タイムスリップした心地でどっぷりと物語に浸れました。おすすめです!