第19話 「しまうま」再び
「何ですか? これ?」
荒らされた『ミカン・ラン』の店内を見たポピィは、ミモリシェフに聞いた。
「泥棒に入られたみたい」
「それはわかりますけど、何でしまうま?」
「そうなのよね、2日間連続、盗られたみたい」
警察の調べによると、『ミカン・ラン』からなくなったものは、きれいに切り分けた【しまうまの肉】だけだった。
「しまうまって、そんなに需要ありましたっけ?」
「結構、しまうまって、いろいろな料理に使えるのよ」
「なるほど。なら、犯人はシェフ?」
「警察が言うにはね、置手紙があったらしいの」
「何て書いてあったんですか?」
「ひと言【かわいそう】、だそうよ」
「…ということは、動物を保護したと?」
「かもしれないわね」
(動物好きの仕業か?)
「『ミカン・ラン』はいろいろなめずらしい料理を食べられるお店として有名みたいだし、何か変なことでも聞いたのかも」
「…お店、辞めないですよね」
「辞めないわよ、だって、『ミカン・ラン』は私にとってもみんなにとっても、必要なお店だもの」
「なら、いいですけど」
「今日も張り切って、料理を作らなきゃ。ポピィくん、手伝って。今日もお客さんがたくさん来る予定なんだから」
ポピィは笑みを浮かべて、
「独創的なミモリシェフの料理、勉強になります!」
「ありがと」
ミモリも笑みを浮かべて、今日の仕込みに取りかかった。
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