第17話 吊るされた食材

「マルアちゃーん、これ、お願い」

「はい、ミモリシェフ!」

『ミカン・ラン』の方では着実に貸切パーティの準備が進んでいた。

 ポピィの方はというと、

「ここか?」

 駅前のお肉屋さんらしきお店を発見していた。

「!」

 ポピィは店内に入って、ギョッとした。大きな熊や大きなクジラ、大きな蛇などが天井から吊るされている。

(確かにお肉屋さんだ)

 ポピィはこのお店がミモリが言っていた、お肉屋さんに間違いないと確信する。

(熊、売ってるし)

 吊るされた動物たちを見ていくと、しまうまが1頭、天井から吊るされていた。ポピィはそれを買い、お店から貸りた台車に乗せて『ミカン・ラン』に戻る。



「ありがと、ポピィくん。助かったわ」

 ミモリはポピィからしまうまを受け取ると、すぐに仕込みを始める。ポピィはしまうまを乗せた台車を引っ張ってきたことで、疲れていた。

「少し、休んでて」

 ミモリはお店のまかないのドリンクを持ってきて、ポピィに椅子をすすめる。


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