第8話 憧れのレストランでシェフ修業

 ミモリのお気に入りの言葉は「料理は何ごとにも、挑戦が大事」だった。その言葉通り、ミモリの新作メニューへの勢いは止まらない。めずらしい食材を買ってきては次々と新メニューを作り出していった。レストラン『ミカン・ラン』はめずらしい料理を食べるお店で、しかも、おいしいと口コミで広がっていき、一年後には地元の有名なレストラン雑誌で特集を組まれるほどになった。

「今日からうちのお店で働く、マルアちゃんです」

 ミモリは『ミカン・ラン』で働く従業員たちに、新しくお店に入った見習いシェフのマルアを紹介する。

「マルアちゃん、ひと言」

 ミモリにうながされたマルアは、

「このレストランのファンです。シェフの修業をするなら『ミカン・ラン』と決めてました。このお店で働けることがうれしいです!」と輝いた顔で言った。

 従業員から拍手が起こる。

「ポプィくん、マルアちゃんに教えてあげて」

「わかりました」

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