第6話 食用ではない食材

 ミモリはポプィと一緒に、『ミカン・ラン』の近くにある大きな市場に来ていた。ミモリが小さいころから料理の食材を買い続けている市場で、世界各国から集められためずらしい食材がいっぱい売っていた。ひいきにしているお店の顔見知りのおじさんやおばさんがいて、お得意さんとして安めの値段で食材を買っているお店もある。

「こんなの、買うんですか?」

 ポプィが食材を買うメモの一覧に、料理の食材としてありえない食材が書いてあるのを見て、ミモリに確認してきた。

「そうよ、それが大事。それがないと、おいしくないのよ」

「…なるほど」

 ポプィは少し納得のいかない顔をしていたが、ミモリはおかまないなし。ミモリは食材リストに書いてある食材を次々と買っていく。

「おばさん。これ、ひとつちょうだい」

 ミモリは眠らせる針を刺してある、大きなクジラを買った。なかなか手に入らないクジラで、食用ではない。

「…」ポプィ。

「おじさん。これ、ちょうだい」

 ミモリは見たことのないめずらしい葉っぱを見つけて、量り売りで大量に購入した。その葉っぱはシップとしても使える薬用ハーブだった。もちろん、食用ではないハーブ。

「…」ポプィ。

「おにいさん。これ、三匹ちょうだい」

 ミモリはホルマリン漬けの猛毒の蛇を瓶詰で購入した。蛇の血は猛毒で一滴で人ひとり葬れる。

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