第6話 セラの旅立ち
セラだよ!
エンスタ王国の女王様からもらった袋の中に、日記が入っていたので今日から書いていこうと思いまーす。
エンスタ王国から出て1日が経ちました。
季節は春!ポカポカ温かい日差しの下 見渡す限りの草花。
私は、村ではお姉ちゃんみたいに森に入ることはなかったし、エンスタ王国より先に行ったことがなかったからすごく楽しみ!
お姉ちゃんが言ってたんだけど、エンスタ王国はちゃんとしてるから、エンスタ王国が統治している土地は整備がしっかりしていて、国や村までに道のりはしっかり整備されてるから、何もなければ、しばらくは険しい道のりになることはないんだって。
「エンスタ領土は、セレナがしっかりしてるから、こういう細かい道の整備もしてるんだよ。」
「王女様はすごいんだね。」
「そうだな。例えば、道の端に柵があるだろう?たまに石でできた壁がある。
あれはあの場所は獣の通り道かつ、畑があったりする場所だ。」
お姉ちゃんは、女王様のことについて話してる時はとても誇らしそうにしている。
1日目は、女王様からもらったテントで過ごしたよ。
野営って言うんだって。
私は初めてだったんだけど、お姉ちゃんは慣れてるみたいで
もらった荷物の確認と火の番をしていたよ。
「衣類、食料、薬、清潔な布、砥石。お!セラ、お菓子もあるぞ。」
「お菓子!やった。」
「チョコレートか。しかし、お菓子にしろ、衣類にしろ、とことん旅向きなものばかりそろってる。」
「おねえちゃんが荷物を持ってなかったのは、荷物をもらえるって思ってたからなの?」
「そう。昔約束してくれたんだよ。私が旅立つときに全力で支援するって。それに、自分たちで準備したら荷物が多くなるからね。このくらいで十分だ。お菓子は今食べるかい?」
「ううん。もう歯磨きしちゃったし、明日のお楽しみ!」
「セラはえらいな。」
「えへへ」
荷物の整理が終わると、お姉ちゃんは武器の手入れをしていた。
白いふわふわでエンジン剣をポンポンしてたよ。
「セラ、まだ寝ないのかい?」
「なんだか、興奮しちゃって。」
「なんだか楽しい?」
「うん!お姉ちゃんはなんで女王様と仲良しなの?」
お姉ちゃんは少し懐かしそうにしてたよ。
「私にとって、セレナは姉なんだ。」
「セラにとっての焔お姉ちゃんと同じってこと?」
「そう。私がティア村に来たのは、7歳だった。誰も知り合いがいなくて不安だったときに、セラのお母さんにエンスタ王国に連れて行ってもらった時に在ったんだ。」
「女王様はあった時から、女王様だったの?」
「そんなことはない。当時はセレナの父親が王をやってて、セレナはお姫様だった。」
「お姫様!」
私はお姫様という響きにキラキラしたものを感じて、はしゃいじゃったの。
「そう。お姫様。でも、おとぎ話に出てくるような感じじゃなくて。初めて会ったときは、訓練着だったよ。あの頃のセレナはエンスタ軍に交じって戦いの訓練を良くしていた。だから私の知ってる彼女は、キラキラしたドレスを纏ったお姫様じゃなくて、泥まみれ傷だらけ、だけどワイルドでいつも笑顔な騎士だった。」
「女王様はすごい人なんだね!」
「ほんとにすごい人だよ。どんな時でも、私を包み込んでいた。
さぁ、もう寝る時間だ。お休みセラ。」
「おやすみ」
二日目!
ジャム王国へ向けてあるいていたら、突然男の人の叫び声が、聞こえたの。
道の先の方から聞こえたから、走っていくと馬車が獣に囲まれていて、屋根に上っていた男の人が叫んでいたの。
そしたら、おねぇちゃんがすごいスピードで獣たちを倒したの。
「神威式型エンジン剣!」
助けたお兄さんは、商人さんでジャム王国に行く途中だったの。
「私たちもジャム王国に行くんだ。良かったら一緒に行こう。私が護衛をする。代わりにこの子を馬車に乗せてあげてくれない?旅慣れしてないから。」
「お安い御用です。こちらとしても護衛してくれるなら助かります。」
私は馬車の中で、ゆらゆら揺られていました。
「お嬢さん達は、なぜジャム王国へ?」
「私が旅をしてて、あの子は付き添いさ。エンスタ王国のセレナ女王に魔獣の討伐を依頼されて、ジャム王国にね。」
「道理で!どこかで見たことがあると思いました。たしか蝶の盾の焔様ですね。」
「私のことを知っているのか。」
「ええ、以前商人の多くが移動する時期に、危険な道を通る時がありまして、その時にあなたに護衛していただきました。」
「そんなこともあったな。あのときは何事もなくてよかった。」
お姉ちゃんは有名人みたい
私はすごく誇らしくなった。
「セラ、見えたよ。」
「あれなに?」
商人さんが教えてくれたよ。
「あれは風車です。ジャム王国は別名風の街と呼ばれていて、街の動力は大量の風車で成り立っています。」
いっぱいのクルクルに向かって私は揺られていました!
赤髪の炎 兎速 香声 @uhayakasei0423
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