願い ―友人・夢―

(チリーン、風鈴の音)


「久しぶりだね! あ、ちょっと待った方がいいかな」


(タンタンタン……、文字を打つ音)

(キュッキュ……、文字を書く音)


「もういいの? じゃあ改めて久しぶり! 元気してた?」


「そっかそっかー。元気じゃないけど元気を振り絞ってるっと」


「あははは……。いつも疲れたら休んでいいって言ってるからって、私が怒るとでも思ったの? 一生懸命に生きてる人を怒らないし笑わないよー」



(ギィー……、椅子の軋む音)


「ほんとほんとー! だってキミがそれをやりたいんだよね? 時間は、―――ううん、人生は有限なんだよ。生活してるだけでやりたいことも出来ないなんて、それこそただ生きているだけじゃない? だったらキミのしたことをしなよっ!」


「それにー、もしも疲れたら私が何かしてあげるからさ。だから頑張って!」


「応援してあげることしかできないけどね、キミが頑張ることに意味があるんだから」


「そりゃそうだよ~。もしもキミが評価されて結果を残せてもさ、私が手伝ったって思われてたら意味ないでしょ? それにキミはあの人たちと肩を並べたいんだよね?」



「みんなきっかけになった憧れの人がいるんだよ。当然、それが目標になってると思うけどさ、―――例えば小説を投稿している人なら書籍化して一緒に本屋に本を並べてみたいとか、そういうのも夢にしていいと思うな。自分が追いつくだけじゃなくて、同期っていうのかな、友人と一緒に見る夢も悪くないよ?」


「だってさ、自分とスタートラインは同じだからさ。頑張ってる姿を見たら頑張ろうって思えるでしょ? 少なくとも私は関りを持った人たちとは対等で、同じ夢を追いたいと思ってる。―――キミもそうじゃないの?」



「だよね! 最初からのプロの人なんていない。実力が上の人も下の人もそりゃいるよ? けどさ、一緒に投稿を始めた人とかいいライバルじゃん。書籍化まではまだしていない好きな作家の人とかいい目標じゃん。―――お金にならない状態でもみんな頑張ってるんだもん」


「だからさ、キミが仕事以外で頑張ってる姿が嬉しいんだよ。だってそれは、キミが本当にしたことだと思うからさ」



「けど無理しちゃダメだよ? いつかはキミのその努力が報われる日が来て欲しいと願ってるけど、それがいつ来るか、そもそも報われるのかとは私は言えないしね」



(くるくる~~~、椅子が回転する音)


「そりゃそうだよー。だってキミ以外のみんなも頑張ってるんだよ? 成功者って才能もそうだけど努力を続けた人って部分が大きいし、それよりも大きいのは運だと思うな」


「そう、運。努力を続けた人が報われるっていうのはそれだけ人の目に止まったからなんだよ? だから何かやりたいことがあるなら歩みを止めちゃダメなの」


「それじゃ、そろそろ私は失礼しようかな~。少しは息抜きにはなったかな? ―――夢に向かって頑張ってね。―――またね」

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天恵テーネさんは疲れたキミを癒したい たっきゅん @takkyun

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