第1章 フルールの素晴らしく画期的な計画③
***
翌日もフルールはヴィクターを待ち構えるために家を出た。
……のだが、やはり道の
その翌日も、
時にはリデット家寄りで勝利を収める日もあるが、巻き返されてフレッシェント家の近くで遭遇してしまう日もある。勝率は半々と言ったところだ。
「もっと早く出ないと
このまま一進一退を続けていては
そうフルールは考えを
次の瞬間、ガシャン! と
いったい何事かと
彼女の足元にはティーポットとカップが落ちており茶葉が散乱している。フルールの自室にはシックな色合いの
「ごめんねシャレル、驚かせちゃったわね。
「……
シャレルが軽く頭を下げ、落としたティーポットと茶葉を片付けだす。
その仕草は
「意外ね」
「何がですか?」
「
シャレルは
そんなシャレルだからこそ
そんな会話の最中、コンコンと室内にノックの音が聞こえてきた。
許可を出せば扉が開き、「失礼します」と一礼して入ってきたのはルドだ。
「フルールお
室内に転がる茶器と茶葉を見止めて、ルドが
「聞いてください、お嬢様。シャレルは昨日も
「今回は私が大声をあげて驚かせちゃったのよ。私のせいだわ」
「お嬢様のせいではありません。こいつは根が
ブツブツと文句を言いながらもルドが手早く
その仕草や
ルドは代々フレッシェント家に仕えている家系の
そんな
「シャレル、お前な……」
「良いのよルド、気にしないで。ちょうどシャレルと話をしようと思っていたから。それより
ぜひ聞いて欲しい。そうフルールがルドにも座るよう
それでもシャレルの隣に
「お嬢様、作戦とは……、もしかしてヴィクター様との事ですか?」
「えぇ、そうよ。私、良い事を思いついちゃったの。……あのね」
話したいが
公爵子息の執着から逃げられそうにないので、逃げないことにしました さき/角川ビーンズ文庫 @beans
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