帆夏さんは、よっぽどお仕事が好きなんゃね。
あの世にいっても、以前働いていた喫茶店を手伝いに来ていた。
そんな読み方をしてはいけなかった。
てんてこ舞いの店内で忙しく働く仲間の手助けになればと、リーダーをしていた彼女の責任感と優しさがそうさせていたのだ。
もちろんお仕事も好きだった。
大好きだった湘南の海に連れ去られた帆夏さんの思いは、いつまでもそこに遺っている。
それに気が付いた大学生たちは花を手向けに行った。
彼らも初めは軽いナンパのつもりで彼女に声をかけた。
彼女の正体を店長から訊かされ、それは驚きと共に彼女の無念を思うようになり、彼らもまた優しい。
この優しさに是非包まれてください。