男の子目線


 だーりー。

 今日も俺は静かに外を眺めている。


 特にクラスで話すやつもいないしな…。


「ねえねえ純平くん。ここの問題おしえてよぉ。」


 優香が近づいてきてこう言ってきた。


 優香は学校一の美女と言われている。

 スタイルも性格も抜群だ。

 と、言いたいところなんだが少し性格に難ありなのだ。


 優香は色々な人に「思わせぶり」という行為をする。

 誰に対しても距離が近くて特に陰キャをはめている。


 通称「陰キャ狩り」だ。


 これは最近有名になってきている話だが、被害者は後を経たない。

 そしてその被害者は陽キャもどきにものりうつってきている。


 そしてここ最近の数週間でターゲットにされているのは俺だ。


 みんなから騙されるなよと言われているがそんなのはどうでもいい。


 とにかくここまでやってきた彼女に対してはお仕置きが必要だろう。


 *数日後*


「ねえ純平くん。今日放課後2人きりで話さない?」


 そろそろくると思った。

 放課後2人きり作戦。


 放課後に2人きりになんかなったら陰キャなど速攻で好きになってしまうだろう。


 だが俺はそうはいかないぞ。


 放課後誰もいなくなった教室で2人きりになる。


 すると優香は隣の席に座ってくる。

 そして俺の手を握ってきたのだ。


 残念だったな…。優香…。


「なあ。好きでもない人の手を簡単に握らない方がいいと思うぞ。」

「え…?」


 優香はただ呆然としている。

 こんな返しをしてくる陰キャなんていなかっただろう。

 呆気に取られた様子の優香をさらに問い詰める。


「あれ…?本当に好きだったのか?」

「いやぁ…?それはどうだろうねぇ…。」


 焦っているなぁ…。


「そそそそそんなことよりさ、この前のテスト。おかげさまでいい点だったよっぉ。」

「そっかそっか。よかったぁ〜。」


 そう言って俺は手を握り返してやった。


 この女…。攻めるのはよくやったことがあるんだろうけど守りがガバガバだなぁ。


「じゃあさ、もっと2人きりで勉強でもお話しでもしようか?」


 そう言って俺はメガネを外し、髪を整える。


 俺の顔を見て見惚れている優香に少しイタズラをしてやる。

 そう思って俺はあごをクイっとあげてやる。


「なあ俺のこともっとみてよ…。」


 どんどん赤くなる優香の顔をみてとどめの一撃を放つ。


「なあ。俺のこと好き…?」

「…好き…。」


 そんなことを聞いたもんだから俺は優香の唇に俺の唇を重ねてやった。


「…っむ、」


 優香が聞いたことのない鳴き声をだす。

 そして俺が唇を離してやると優香は抱きついてきてこう言った。


「ずるいです…、」

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学校一の美女の趣味は陰キャ狩り! ひろまる @hiromaru0722

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