学校一の美女の趣味は陰キャ狩り!

ひろまる

女の子目線


「決ーめた…、」


 私は優香。

 学校一の美女と言われている。

 でも私の趣味は少し性格が悪いかも。


 私の趣味は通称「陰キャ狩り」。


 私はそんなつもりでやってないんだけどね…。


 少し思わせぶりな行動をして、告白してきたら盛大に振ってやるの。

 性格悪いという自認はあるけどどうしてもやめられないの。


 振られた時の陰キャたちの顔。

 たまらないねえ…。


 そして最近のターゲットは純平くんだ。


 そこそこ勉強ができる彼だから最近は勉強を口実にすり寄っていっている。

 あっっっはは。


 またいいカモがあらわれたなぁ。


 *数日後*


「ねえ純平くん。今日放課後2人きりで話さない?」


 陰キャは簡単。

 2人きりになるだけで何か期待をしちゃうんだから。


 放課後に2人きりにすれば効果は絶大。

 特に「放課後」っていうのが恋愛小説読みすぎ陰キャに1番効くの。


 さあ…。あなたの絶望した顔が見てみたいわぁ。


 そして放課後誰もいなくなった教室で2人きりになる。


 私はは隣の席に座る。

 そしての手を握ってやった。


 さあ…。どうなの純平くん?少し私のこと好きになっちゃったんじゃないのぉ?


「なあ。好きでもない人の手を簡単に握らない方がいいと思うぞ。」

「え…?」


 ほへ…?

 なんでこんな冷静なの…?

 今までこんな陰キャいなかった。

 手を握っただけで顔赤くしてたのに

 

 呆気に取られているとさらに問いつめられる。


「あれ…?本当に好きだったのか?」

「いやぁ…?それはどうだろうねぇ…。」


 やばいやばい。

 ペースが向こうに向いている…?

 いやそんなはずないよね、あはは。


 わ、話題変えないとぉ。


「そそそそそんなことよりさ、この前のテスト。おかげさまでいい点だったよっぉ。」

「そっかそっか。よかったぁ〜。」


 彼はそういうと手を握り返してきた。


 待って待って…。

 え…。

 そんなことしてくる陰キャいなかったって。


「じゃあさ、もっと2人きりで勉強でもお話しでもしようか?」


 そう言って彼はメガネを外し、髪を整える。


 待って…。かっこいい。


 普段はメガネをつけていていかにも陰キャっぽかったが、メガネを外し髪を整えただけで、私好みの男性に早替わりした。


 そんな素顔があるなら早く言ってよ…。


 そんな彼に見惚れているとあごをクイっとあげられた。


「なあ俺のこともっとみてよ…。」


 むうううう。

 なんだその甘い声ぇぇぇ。

 今まで隠してたのか…?

 もったいなさすぎだろぉぉぉぉ。

 てかずるいぞぉぉぉぉ。


 そして私の顔は瞬く間に熱くなった。


 そして…。


「なあ。俺のこと好き…?」

「…好き…。」


 私は彼の質問に速攻で返した。

 いや好きにならない方がおかしいって。

 

 そして彼の顔が近づいてきて私の唇に触れる…。


「…っむ、」


 私は聞いたことのない鳴き声を出してしまった。

 そして純平くんが唇を離すと私はせめてもの仕返しとして、堂々と正面から抱きついてやった。


「ずるいです…、」

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