まどろむカメ

隣乃となり

まどろむカメ

「カメ」といえば、あの特徴的な甲羅ですよね。


甲羅に手足と頭を引っ込めて、警戒心丸出しで眠る。そんなイメージがあると思います。


でも、違うんですよ。


いや、実際は違わないのですが、カメはいつも甲羅に頭を引っ込めて寝ているわけではありません。


私は現在、それはそれは可愛いカメを2匹飼っているのですが、奴らは結構フリーダムに寝ます。


まず一匹目、ぽんちゃん(仮名)。

彼女はヒーターの上が大好きで、そこに身体の上半分を乗っけて寝ています。ヒーターって何?という人や、ヒーターの上に乗るって可能なの?と思われた方の為に説明すると、カメは変温動物で、気温、水温の変化が命に直結する生き物です。なので、水槽内にヒーターを入れて水温を調節してあげる、といった感じです。我が家のカメ用オートヒーターは、縦長ではなく段差のような形で、丁度カメたちが身体の上半分が乗せられる形状をしています。

ぽんちゃんは、よくそのヒーターに身体を乗っけて眠っています。その寝顔の可愛いこと!

カメという生き物は口角が常に上がっており、どんなときでも少し笑っているように見えます。

そのため、目を閉じると…


なんかめっっっちゃ気持ちよさそうに寝てる!!!!!


目を閉じて笑っていることですごい昼寝を楽しんでいるように見えるし、なにより本人(本亀?)がとっても嬉しそう。

でも、かわいい~写真撮りたい〜と思って近づくと、気配に気づいてすぐに目を覚ましてしまいます。悲しい。

それに、ぽんちゃんはよく、俯くように少し頭を下に傾けて寝ています。

かわいい!!かわいすぎる!

その姿勢がリラックスできるんだねえ〜〜〜よちよちよち♡

と思わずキスしたくなってしまいます。(カメはサルモネラ菌を持っているのでキスしちゃだめですよ!)


さて、もう一匹のカメ。彼はみみくん(仮名)といいます。

彼もまた恐ろしいほど可愛い姿で寝ています。

彼は手足を一切引っ込めず、ぐーんと伸ばして寝るのです。それが片手片足の日もあれば両手の日もあったり…。

警戒という概念はもうとっくに彼の辞書から消え去ってしまったようです。

手足を思い思いに伸ばすので、ぽんちゃんよりもさらにリラックスしているように見えます。


そんなみみくんですが、去年の冬は少しぽちゃぽちゃしていました。冬に備えて脂肪を蓄えていたのでしょうか。

冬の時期のみみくんは、通常時と違ってしっかり手足と頭を甲羅に引っ込めて寝ます。もちろん、太っているみみくんがすんなりと手足を甲羅に引っ込められるわけもなく、しっかりお肉がはみ出てしまっていました。頭はほとんどがみみくんのお肉に埋もれてしまっていて、「これ大丈夫か…?窒素とかしない…?」と心配だったのですが、お肉に押し出されるようにして頭がゆっくり出てきました。呼吸は大丈夫らしいです。安心。


そんな2匹ですが、もちろん飼育し始めたときからこんなにのびのびと寝ていたわけではありません。最初は当然、警戒心丸出しで常に甲羅に閉じこもって寝ていました。

それが今となっては…


こんなに警戒心の無いカメちゃんになっちゃって!


私は気持ちよさそうに寝ているカメたちに、半ば呆れながら語りかけます。


おいおいカメさんたち、今天敵が来たらどうするのだ。


まあいいのです。彼らは野生のカメではありませんから。それに、こんなにリラックスできる空間を作ってあげられているんだなと思うと、本当に嬉しいです。


これからも、ずっとずっと快適な睡眠を提供していきたいと思います。


カメは可愛い!せんきゅー!

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