面倒見のいい幼馴染のお姉さんや色んな関係性の女の子たちが○○してくれるけど、いかがわしく聞こえるのはきっと俺だけじゃない。

小坂あと

第1話「面倒見のいい幼馴染のお姉さんが献身的に耳かきしてくれたけど…」










※ほとんどセリフのみで構成されています※

※お好きな声で脳内再生してください※



















 シュチュエーション説明。


 幼い頃から仲良くしている近所のお姉さん(年上の幼馴染)が家までやってきてくれて、そのまま…という流れです。


 仲の良さは、付き合ってはないが大の仲良しという設定です。…付き合う寸前まではいってるかも?


 が、ここはお好きなように改変していただいて構いません。


 それでは、ここから先はふたりきりの世界をお楽しみください。





















 自室のベッドにて。


 幼馴染の年上お姉さんに膝枕をされている。


 どうしてこうなったかというと……




 ※『』は回想です※




『え…?最近、耳が聞こえづらいの?なんだろうね……耳垢でも溜まっちゃったのかな?』


『ボヤボヤする感じ…?それなら、やっぱりそうかも。耳垢かも』


『気になるなら、見てみよっか』


『それで原因が分からなかったら、病院に行こうね。お姉さんも一緒について行ってあげるから…』


『ふふ、そんなに子供じゃないって?』


『…強がってるの、かわいいね』


『ごめんごめん。冗談だよ?……もう大人だもんね。ひとりで病院行けるよね』


『付き添いはいつでもするから、困ったらお姉さんのこと頼ってね。じゃないと…ちょっと寂しいな』


『さて、じゃあさっそく。お耳掃除、はじめよ?』


 という経緯である。









 以下、現在の様子。



「はい、じゃあ……改めて。耳かき、はじめていくね?」


「あ……でも、その前に」


「緊張してるみたいだから、少しお話しようね」


 耳のそばまで声が近付く。


「そんなに緊張しないで…?力、抜いてごらん?」


「大丈夫。痛いこととか、しないから」


「ただちょっと……気持ちよくなるだけ」


「きもちいいの、好きでしょ…?」


「ふふ…かわいい。耳、赤くなってるよ?どうしてかな…?」


 耳の外側を指で撫でる音がする。


「こんなに赤くしちゃうくらい……恥ずかしいの?耳かきするだけなのに」


「こういうの、慣れてない…?」


「かわいい……お耳、舐めちゃおっか」


「濡らした方が、スムーズにいくかもしれないから…ね」


「むしろ濡らすとやりずらいって?……まあまあ。細かいことは気にしないの」


「でも、君が舐めてほしくないならやめるけど……どうする?」


「舐めてほしい?ほしくない?」


「ちゃんと言わないと……このまま何もしないで終わっちゃうよ。いいの?」


「やだ?……じゃあ、言って」


「ん…いいよ」


「よく言えました」


「ふふ、これじゃ舐めるのがご褒美みたいだね」


「…いっぱいご褒美あげるね」


「は…ん」


 吐息の抜ける音が響く。


「お耳あつくて、かわいいね…ぷにぷにしてる」


「ん、ふふ……くすぐったい?」


「そんなにぎゅって目閉じて……全然、緊張ほぐれてくれないね」


「このままじゃ、ずっと舐めることになっちゃうよ…?」


「それでもいいって……もう。だーめ」


「もう少し舐めたら、やめるからね…?」


 耳を舐める舌が、水音をくちゅりと響かせた。


「んふ……くすぐったいねぇ。でも、嫌じゃないんだ?」


「はぁ…かわいい。そのままおとなしくしてたら、いっぱいしてあげるから」


「ん、お耳どんどん赤くなっちゃうね…」


 耳たぶをくちゅくちゅ吸うように舐められる。


「…耳たぶ舐められるの、好き?今、反応よかったもんね」


「ん、は……っくすぐったいと、肩ビクッてしちゃうんだ?」


「そんな反応されたら……もっとしたくなっちゃうな…」


「んっ…ん……はぁ、かわいい」


「んー…っま。ふふ……耳にキスされるの好き?」


「いっぱいしてあげる…」


 ちゅぱ、ちゅくと水音が続く。


「んは…ぁ、すごい……もう、ぐちゅぐちゅになっちゃった」


「指でも耳たぶくりくりしようね」


「あ、濡れてるから……すべっちゃうね」


「ふにふに、ぬるぬるで…すごいかわいい。君のお耳…」


「もう食べちゃいたい」


「っん……あ、痛かった?ごめんね、甘噛みしちゃった」


「え、全然甘噛みじゃないって?…ごめんごめん、強くしすぎちゃったかな…」


「お詫びに噛んだところ、舐めて消毒しようね」


「あー…む。…ん」


「ん…っん、ん……はぁ〜…よし。消毒完了」


「え?消毒になってないからもう一回?……いいけど…耳かき全然はじめられないよ?」


「そんなに気に入っちゃった?……耳、舐められるの」


「変態…」


「こういうのも好きなんだ?かわいい…」


「ねぇ……それより、そろそろ緊張ほぐれた?」


「なんの話って……今日はお耳を舐める日じゃなくて、お掃除する日だよ?」


「あー、忘れてたなー?もう……白々しい」


「舐めるのは、もうおしまい」


「…一回、拭いてきれいにしよっか」


「ちょっと待っててね〜、ティッシュは…っと」


 ゴソゴソ何かを漁った後で、耳にティッシュを当てられる。


「けっこう濡れちゃった……すごい…とろとろだよ…分かる?」


「中の方まで、ちゃんと拭こうね」


 残った唾液の水音とティッシュの擦れる音が、くちゅ、くしゃ…と混ざり合う。


「…ふふ、舐めるの気に入ってくれた?」


「またやってあげるから……今は、お耳のお掃除しようね」


「え?さっきので、もっと緊張しちゃった?」


「むー……さては、今すぐまたしてほしいから言ってるな?」


「だめだよ〜、耳かきできなくなっちゃう」


「それでもいい……なんて、だーめ」


「ちゃんと、中の方まで綺麗にしよ?」


「あとで、いー…っぱい、舐めてあげるから。ね」


「ん。いいこ」


「じゃあ……するね」


「痛かったりしたら、教えて…?」


 指で撫でた後で、綿棒の先がカサリ…と当たる。


「まずは……浅いところから…」


「こうやって、こしょこしょするの…どう?」


「くすぐったくなぁい…?」


「……よかった。続けるね?」


「入り口のところ、こうやって撫でると……きもちいいの。私は好きなんだけど…君はどうかな?」


「くりくり…って、するの」


「好き?」


「んふふ、それなら……もうちょっとしようね」


 耳の穴の入り口を綿棒の先で擦る音がする。


「これ…きもちいい?」


「でもこれやってると……もっと奥、ムズムズしちゃうね…」


「もどかしくなってきた?」


「そんなもじもじしないで……動いたら、危ないよ?じっとしてて」


「ん…?もっと奥、欲しいの…?」


「じゃあ……ちょっと、見せて」


「ちゃんと確認してから、いじるからね」


 耳たぶをつままれて、弱く引っ張られる。


「ん…んー……どれどれ…」


「わ、すごい…大きいの見えた」


「いっぱい溜まってるね」


「こんなに溜まってたらすぐにでも出したいよね、今までつらかったでしょ…」


「お姉さんが、出してあげるからね」


「え?自覚無かったの?こんなに溜まってるのに」


「すごく大きくなってるよ…?これ大丈夫かな…塞がっちゃいそう」


「こんなに大きいと思ってなかった…」


「いつも、自分でしないの?」


「……怖くてできない?」


「そっかぁ…痛かったり、うまくできないと不安だもんね」


「ひとりの時も上手にできるように……教えながらしよっか」


「覚えたら今度、私にもやってもらおうかな…」


「ふふ、ほんとにやってくれるの?優しいね」


「じゃあねー……どこから説明しようかな?」


「私はいつも、入り口くりくりしたあとは…」


「ゆっくり、ゆーっくり、入れてくの」


「ほら……こうしたら、痛くないから。奥までは、私もちょっと怖いけど…」


「君がしてくれるなら、深いとこまでいってもいいかも」


「うん…君相手なら、嫌じゃないよ。どこまで進んでも大丈夫。……痛いのは、ちょっと怖いけど」


「してもらえるだけで、嬉しいから…」


「あ……待って。浅いとこの、いけそう」


「ちょっと待ってね……あと少しで、取れそうだから」


「っあ……きた、きたきた…まって、もういけるから。もうちょっと…」


「ん、出てきた…っ」


「ちょっとだけど、ちゃんと取れたよ」


「すっきりした?…よかった」


「でも、まだだよ〜。まだいけるでしょ…?」


「もっと奥の取れたら……もっときもちいいから」


「大きいの、出しちゃおうね」


「ん、ふ……どうして今、ピクッて反応したの?」


「早くしてほしくて、期待しちゃった…?」


「せっかちなのは、モテないぞ〜」


「……なんてね。すぐしてあげるから……あせらないで?」


「ゾワゾワしちゃっても、動かないでね…」


「奥、入るよ……大丈夫?」


 耳の少し奥まで、綿棒の先が来る。


「そー…っと。そーっとね」


「あんまり強くこすっちゃうと…痛いかな?」


「痛かったら、教えてね…?」


「この強さ……どう?」


「きもちいい?…もっと強いほうが好き?ふふ、意外とMなの?」


「弱いと、もどかしくなっちゃうね…」


「もっと強くこすってほしい…って、わかる。モヤモヤしちゃうよね」


「だからそんなに、モジモジしてるんだ?」


「お腹の下押さえて……どうしたの?そんなに恥ずかしい…?」


「……大丈夫だよ。どんなに情けない姿見せても」


「お姉さん、君のこと嫌いにならないから…」


「…さ、気を取り直して続けよっか」


「ここ、ズリズリして……あ、上がってきた」


「白いの上がってきたよ」


「うぅん……あと、少し。少しずつ、見えてきてるよ」


「あっ……きそう……いけそう、だから…そのままじっとしてて?んんん…いける、かな」


「動いちゃだめ……ん、もう…ちょっと」


「ん〜……っあ、きた!」


「いっぱい出てきた」


「ほら……見て?こんなに溜まってたんだよ?」


「ちゃんと自分でしないから……まったく。今度からここまで溜まる前に、お姉さんに言ってね?」


「いつでも、何回でもスッキリさせてあげる」


「え?まだ溜まってるかも…って?」


「しょうがないなぁ……もっと見せて?」


「あー……ほんとだ、まだ大きいのある…でも、けっこう奥の方かも…」


「はぁ、すごい……これは、掃除しがいがあるね」


「んんん…どうしよ」


「綿棒じゃむりそうだから、耳かき使うね」


 一度、耳から綿棒から引き抜かれ、なにやら物を取る音がする。膝枕は継続されたままだ。


「……よし、と。持ってきたよ」


「やだ、もう……太もも触っちゃだーめ。耳かきするのに……危ないでしょ?」


「…触りたいの?」


「じゃあ少しなら……触ってていいよ」


「へ、変なところは、やめてね…?」


「フリじゃないってば、もう〜……っあ、ん…変な触り方、しないの。やーだ」


「はい、悪い子なおてては離そうね」


「もう。変なことばっかするなら、膝枕も耳かきもしてあげないよ?」


「我慢できたら私がお耳とか、いっぱい触ってあげるから……君は触るの禁止。わかった?」


「…うん、よし。いいこいいこ」


「あとでご褒美に、またお耳舐めようね。君、好きだったでしょ?あれ」


「……これが終わったらね?」


「んふふ……そんなに楽しみなの?かわいい…」


「お姉さんも、早くしたいな…」


「君の反応かわいくて、気に入っちゃった」


「ごめんごめん。改めて言われると恥ずかしいね。今は言うのやめるね」


「じゃ、続きしよっか」


「耳かきだから……さっき触れなかったとこ、カリカリできるよ」


「どこ、カリカリされたい?教えて…?」


「上の方…?わかった」


「ここ、こうやってされるの…好き?」


「……あ、これは弱いほうがいいの?強いと、ちょっと痛い?」


「ごめんね……弱く、するね」


「…どうかな?」


「ん…ふ、よかった。……これ好きなんだ」


「あ〜…きもちいいね。ピクピク、しちゃうね」


「肩震えてるの、かわいい……そんな縮こまらなくても、大丈夫だよ…?」


「ここをコスると……ピクンってするね」


「くすぐったいだけじゃ、ないでしょ」


「きもちいいでしょ…?」


「んふ、言わせようとしないで…って?ごめんごめん、かわいくて……つい、意地悪したくなっちゃった」


「ほら、そうだ……まだ大きいの、残ってるから…それ出して、スッキリしちゃおうね」


「中、もっとよく見せて…」


「ん。いいこ……すぐ取ってあげるからねぇ…」


「あぁー……やっぱり大きい…君の、こんなに大きくなっちゃうんだ」


「どのくらい、ひとりで処理してないの?」


「……そんなに?なるほどぉ〜…それは溜まっちゃうわけだ…」


「私にしてほしくて、我慢してた?」


「かわいいけど……溜め過ぎは良くないよねぇ。…私も気を付けないと。でもね、やり過ぎも良くないんだって。なんかで見た」


「だけどこの気持ちよさを知っちゃったら……毎日したくなっちゃうよね。良くないって、分かっててもしちゃう」


「他のどのくらいしてるんだろうね…?こういう話って、あんまりしないから分からないや」


「みんなもけっこう、ハマッてる人はハマってると思う……毎日する人も、多いんじゃないかな…?」


「そのくらい、クセになるから…」


「なんか、感覚思い出すだけで、私までムズムズしちゃうな…」


「私?…うん、けっこうするよ〜」


「どんな風に…って?うぅん、どんな、かぁ…」


「自分でする時はねぇ、そうだなぁ…」


「奥の、方とか……強めにグリグリ、したり…こするの、きもちよくて…だいすき」


「入り口も、好きだよ。…でも、入ってくる瞬間が一番、好き」


「あっ……奥の、当たってる…って思うと、ソワソワして落ち着かなくなるんだよね」


「先っぽ当たってるから、もうちょっと……あと、ちょっとでいけそうなのに、いけない感じとか…」


「そうしてるうちに、良いポイントに当たってたのに場所がズレちゃって……それでまたもどかしくなっちゃうんだよねぇ…」


「くりくりしながら探して、また見つけた時は、あ…っそこ、ってなって……それもきもちいいの」


「奥から、ズル…って引っ張り出された時も、ゾワゾワして良いよね」


「それで、やっといっぱい出せた時、いつもすごい満足できるから……病みつきになっちゃう」


「だから、毎日いじくっちゃうんだよねぇ…よくないよくない」


「いじりすぎると、だんだん弱い刺激じゃ物足りなくなってきちゃうし……そのせいで、強めにいじったりするようになっちゃって…」


「入り口から奥まで入れて、擦りながら入り口まで戻して、また深くまで入れて……ついつい癖みたいにやっちゃうの」


「最初はね、奥…ちょっと痛かったんだけど」


「そのうち慣れてくると……気持ちよくなる瞬間があってね」


「奥にあるのが当たって、逃さないようにしっかり捕まえて一回出したら、すっごくきもちいいの」


「君も、そうなるかな…?この感覚を気に入ってくれると、いいんだけど…」


「でも強くやりすぎるのは良くないか……癖にならないように、逆に気を付けないとね」


「ごめんごめん、話しすぎた。ちゃんとやるね」


「……触るよ」


「あ…届いた、奥……今、届いてるの分かる?」


「このまま、出しちゃおっか…」


「先っぽ、引っ掛けて……入り口まで、ゆっくり引き抜こうね…」


「あっ……いけ、そう…もう、いけるよ」


「ん……ん〜…どう…かな?……っあ、いけた…」


「ふぅー…ちゃんと出来た。よかった、落とさなくて」


「途中で落としちゃったらどうしよう…って、焦っちゃった。こんな大量に逃しちゃったら……後で大変になりそうだから…ティッシュで受け止めきれてよかった」


「でもこれで、中まできれいにできたよ。もう中身空っぽになっちゃった。何も入ってないでしょ?スッキリした?」


「まだ逆が残ってる?……ん、もう。欲しがりなんだから」


「どうしよっかな〜……おねだりしてくれたら、するかも?」


「…なんて。最初からするつもりだったよ。だからそんなに拗ねないで…?」


「でも、その前に……」


「さっき言ってたご褒美は、いいの…?」


「忘れちゃった…?ほら、アレだよ?…あーれ」


「ふふ、やっと思い出してくれた」


「してほしい?……もちろん。いいよ」


「お膝から降りて、横になって」


 膝枕が終わり、今度はほとんど馬乗りになる形で体を跨がれる。


 横髪を耳にかけながら、顔が降りてきた。


「次は両耳……どっちも、舐めてあげる」


「右と左……最初は、どっちがいいかな…?」


「んー…君が何も言わないなら、私の好きにしちゃうよ?」


「右から攻めちゃおうかなぁ〜」


「あー……ん…」


 すぐ耳元で吐息がする。


「んっ…ふ、んん……あつい、ね」


「くちゅくちゅ、ペロペロされるの、好き?」


「…吸ったら、もっと気持ちいいよ。音も、ちゅっちゅ…ってするから」


 耳たぶのあたりを吸い付かれる。


「ん……ちゅ、はぁ……耳たぶ、おいしい。……んふ、食べ物じゃないって?」


「でも、おいしいんだもん……君のこと、本当に食べたくなっちゃいそう…」


「えぇ〜?そんな、変な意味じゃないよ。なに期待してるの〜、もう。えっちなんだから」


「…そのうちね」


 少し照れたような声が耳の奥に響いた。


「あ。……汗、かいてきたね」


「体、あつくなっちゃった…?お顔も、お耳も、真っ赤になってるよ?」


「せっかくだから…汗も、舐めちゃおっか」


 ふふ、と鼻から漏れる微笑が聞こえる。


「…汚くないよ。君なら汗だってなんだって、お姉さん舐めちゃうんだから」


「なんでそこまでしてくれるの……って、やだ。そんなの言わせないで?恥ずかしいじゃない…」


「んんん…言わないよ?そんな顔しても、だーめ」


「だって、ほんとに恥ずかしいから……さ、察してほしいな…?」


「察しが悪いからむり、なんて引き直らないでよ。ほんとはそんなこと言って、言わせたいだけでしょ…?」


「そ、それにそういうのは、そっちから言ってほしいっていうか……」


「あぁ、んもう。ほんと鈍いんだから。この話はおしまい。ふたりして恥ずかしくなっちゃうもん、やめよ?」


 恥ずかしいのか顔を逸らされた。


「続きするから……あっち、向いてて」


「こ、こっち見ないで…?舐めやすいように、お耳ちゃんとこっち向けて」


「ほら、もう……見るのなし。こうやって…目塞いじゃうんだから」


 やけに熱い手のひらが目元を覆う。柔らかな皮膚はじんわりと汗ばんでいた。


「しー…っ。静かに、してて。今は、お耳に集中しようね…?」


 そしてまた、耳を舐めるという行為が再開される。


「はぁ…ん……ん、く」


「ぅん、ふ…は、あ……ゾワゾワ、する?」


「我慢しなくて、いいよ…もっともっと、ゾワゾワしてきもちよくなろうね」


「これが終わったら……次は、反対側のお耳もちゃんと掃除するから…」


「んぅ、は……っ、汗の味、してきた」


「においもするね……くさくないよ。私は、好き」


「もう一回、最後の部分だけ言って…って?」


「んー……やーだ。だめ。一回しか言ってあげない」


「なんでそんなに意地悪するの……って、ごめん。そんなつもりなかったんだけど…」


「私、君に対してだけ意地悪になっちゃうみたい…ごめんね?嫌いに、ならないでね…」


「……ん。ありがとう」


 近かった吐息が離れ、幼馴染は体を起こす。


「さて、もうご褒美はおしまい」


「まだしてほしい?…だーめ。もうじゅうぶんしたでしょ?」


「……この続きは、夜にね」


 幼馴染は言った後でごまかすように、ぽんぽんと自分の膝を叩いた。


「はい、お膝おいで?ほらほら、照れてないで」


「また緊張したからほぐしてほしいって……君、ほんとにお耳舐められるの好きなんだね…」


 僅かばかり呆れた声がした。


「だけどもう……あれは今はおあずけです。おとなしく耳かきさせてくれたら……考えるから。今は一旦、我慢しようね」


「ん。よしよし……君はほんとに、いい子だね」


 そっと髪を撫でられる。


「いい子じゃない…って、そんなこと言わないで?卑下する癖、良くないよ」


「いつも頑張ってるから、私もこんな風にしてあげたくなるんだよ…?もっと、自分のこと自分でも褒めてあげてね」


「君はね……自分で思ってるより、素敵な人だよ」


 耳のそばまで顔を落として伝えてくれる。


「そんなことないって君自身が否定しても、私はそう思ってるよ」


「それにたとえ、君が悪い子でも……好きだよ。見捨てたりなんて…しないから」


「私にたくさん甘やかされて、たくさん甘えて、自分のこともっと好きになろうね。…大丈夫、不安な時もそばにいるから」


「お、重いかな……ごめん」


「君の全部、肯定してあげたくて…ほんとに、素敵な人だと思ってるから」


「お姉さんの前では、強がらなくていいんだよ。どんな君でも、見せていいんだからね…?」


「ふふ、恥ずかしい?もう言わないで……って、照れてるのもかわいいね」


「ん〜、かわいい。…かっこいいの方が、いい?」


「かっこいいし、かわいいよ。よしよし、頭撫でてあげるから、体の力抜いて……リラックスして、目も閉じて…?」


「……まつげ、長いね」


「……ねぇ、開けちゃ、だめだよ」


「いいって言うまで、閉じててね…?」


 少しの沈黙の後、チュ…っという音が聞こえた。


 唇に、何かが触れた気がした。


「……さてと、続きしよっか」


「ん?なに?……なにもしてないよ?」


「いいからいいから、耳かき始めるよ。ほら」


「…んー……でも、あれ?…あんまり入ってないかも」


「なんだ、つまんないの。こっちはそんなに溜まってないみたい」


「すっごい綺麗だよ?」


「え?それでもしてほしいの…?」


「溜まってないのにするの、あんまり良くない気もする……痛くなっちゃったりしないかな?」


「あんまりコスりすぎても辛くなっちゃうよ?」


「いいからしてほしいって…?」


「う、うぅん……じゃあ、ちょっと触るだけなら…しよっか」


 遠慮がちな動きで耳かきが再開される。


「……どう?くすぐったいかな…?」


「出せた時が気持ちいいのに、今出すもの溜まってないからなぁー…このまましてても、意味ないかもよ?むしろ痛くなったりしたら、心配だなぁ…」


 それもすぐ、するりと抜かれてしまった。


「もうやめとこっか」


「ふふ、そんな寂しい顔しなくても大丈夫。耳かき終わっても、まだそばにいるからね。すぐ帰ったりしないよ」


「お姉さん、君が望むならずっとここにいるから…大丈夫だよ」


「よしよし……君はほんとに、かわいいね」


 頭を撫でられているうちに意識がぼんやりと滲んでいく。


 こちらが眠たいことに気がついた彼女は、穏やかで柔和な笑みを浮かべた。


「ん…寝る?眠くなっちゃった?」


「いいよ、お膝貸しててあげるから……いつでも寝て」


「それか……耳かきやめたし、添い寝しよっか」


「トントンする?」


「…ん。わかった。……おいで」


 隣に寝そべる形で移動してくれた彼女の腕が背中に回る。


「こうやってぎゅーしながら…寝ちゃおうね。背中、トントンしてあげるから」


 言葉通り、控えめな力加減で何度も優しく背中を叩かれる。


「目、閉じて……そう。いい子」


「耳かきは、また今度…溜まったらしようね。今は寝ることだけ考えて…?」


「ほら、頭も背中も撫でてるから……お姉さんの胸も、貸してあげる」


 胸元に顔を埋めさせるようにして抱き寄せ、後頭部と背中に回った手はゆったりとしたペースで体を撫で始めた。


 思わず胸元に手が伸びる。


 しかしすぐに捕まえられてしまった。


「触るのは、だーめ。そういう意味で貸すのは、もっと仲良くなってからね」


「仲良くなれたら……もちろん、いいよ」


「お姉さんの全部、君にあげる」


「……全部は、全部だよ」


 ものすごい小さな声だった。


「あんまり言うと恥ずかしいから…もうおしまい」


「眠れるまで、お話しようね。どんな話でもいいよ?」


「聞かせて、君について」


「今日はどんな一日だった、とか……あとは、何があるかな」


 しばらくの間、沈黙が流れる。


「……なんか、私の方が眠くなってきちゃったな」


 小さなあくびが聞こえて、モゾモゾと毛布の衣擦れの音がした。


「このまま、一緒に寝ちゃおっか」


「眠れるまで付き合おうと思ってたけど……先に寝ちゃったらごめんね…」


「起きてから、ゆっくりまた話そ」


「いつでも会えるんだから、大丈夫。そんなにさびしがらないで」


「さびしくなっちゃうの、かわいいね。…ふふ」


「もっと甘えてくれてもいいんだよ?お姉さん、甘えられるの好きだから…」


「うーん……そうね。甘えるよりも、甘えられる方が好きかも」


「君は、どっちが好き?」


「……うんうん。いいね」


「甘やかすのも、甘えるのも、どっちもいいよねぇ…」


 だんだんと、声が小さくなってきた。


「うぅー……まだもうちょっと話してたいのに、眠たいよぉ…」


 普段よりも鼻にかかった、本当に眠そうで甘えた声が耳に届く。


「寝てもいいの…?」


「ふふ、さっきまであんなに寂しがってたのに強がっちゃって……かわいい」


「ただ心配だから、早く寝てほしいだけ、って?」


「……優しいね」


「きみは、ほんとにやさしい…」


 

 今にも消え入りそうな声の後、彼女の瞼が耐えきれず落ちたのが見えた。


 布団をかけ直してあげて、するとほんの僅かに相手の瞼がまた持ち上がって、こちらをじっと見つめられる。


「ありがとう…」


「わたしね、君のそういうところ…」


 言いかけて、今度こそ本当に瞼を下ろし深い睡眠へといざなわれたのを、すーすー…と聞こえてきた可愛らしい寝息で確認した。


 一番聞きたかったことを聞けなかったのは残念だが、眠る彼女の寝顔は誰にも見せたくないほど綺麗に整っていて。


 体が自然に動き、


 ちゅ。


 と、気が付けばキスをひとつ落としていた。


 彼女の柔らかな感触に触れたのは、絶対に秘密だ。



 そう、思っていたが。


「……昨日、ちゅーしたでしょ」


 あっさりと、バレていた。









 完



















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面倒見のいい幼馴染のお姉さんや色んな関係性の女の子たちが○○してくれるけど、いかがわしく聞こえるのはきっと俺だけじゃない。 小坂あと @kosaka_ato

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