えいみん

終わり

僕らは死んだ。

それで終わり。

ん？なに？

意味が分からなかった？

そっか。

分からなくていいこともあるよ。きっと。

僕の事くらいしか教えられないけれど、ちょっと聞いてよ。ほんとちょっと！先っぽだけ！

ね？

いいよね。

僕、別に同性愛者ってわけじゃないんだよ？

ただ、好きになっちゃっただけで。

同じ高校に入って、近づいて、仲良くした。

初めて、ちゃんと友達が出来て、親友だと思った。

でも、その前に僕は好きだったんだあ。

けどね、そばにいれればそれでいいかなって思った。

女の子の格好をしてさ。僕、顔はよかったし。まあうまくいってたんだけど。

でも、ばれて、バカにされて、虐められた。

殴られる、蹴られる、嫌がらせされる。

上履きに画鋲はいつものことで、机の上には花がおかれてたり。黒板に変な言葉を書かれたり。

それはそんなに辛くなかった。

耐えられたんだけどさあ。

でも、助けてもくれなかった。

伝えたときは、困惑した顔をされたし。

完全に脈なしだなって思ってさ！

拒絶だと思って落ちようとしたけど、手を握られて、それで君が僕の事をすきだって、気づいたんだあ。

でも遅かったね。

遅かったからさ、落ちて、死ぬ直前でいいことを思い付いた。あの曲とは違うけど！でも、僕の事が好きならさ、僕と一緒に死んでくれるよねえ！きっと！

ま、一緒には死ななかったんだけど。

でも、そのあとすぐに自殺かあ。

いいね。歪な愛情だけどさあ。僕そういうの好きだよ。

それで、まあ、幸せになりましたとさあ、めでたしめでたし！

はい。終わり。

ん？

サトリって人と、トゥールって人は誰かって？

優秀な探偵さんと、その守護霊だよ。

知ってる人は知ってるんじゃないかなあ？

あ、もうすぐ彼がくる。

これから、遊ぶ約束しているんだ！

それじゃあ、永遠にさようなら。

お休みなさい。