あいまいでいい

boly

第1話 あいまいでいい



一言でいうなら「う」というモノをきみにいだいたもう手遅れだ


星とかは興味ないって言いながら「射手座だろ?」って微笑わらうのずるいな


新しいペンは慣れなくてきみの名をカナや漢字で書いてみている


(放課後にゲタ箱で会う確率は…?)その鼻先にきみ現るる


目に映る距離にいるのがうれしくてちょい恥ずかしいこれなんて気持ち?


プリントと指先触れる一瞬が積もりて永遠とわになればいいのに


綱渡りするよに電車乗り継いでひと駅ごとにきみに近づく


僕がもし女だったら「パフェ食べに行こうよ☆」だけでLINEできたのに


眠れないきみにつき合う深夜二時世界がふたりだけになる時間とき


背の高いきみを見上げて話す感じ嫌いじゃないっていうか好きだ


西宮 今津 久寿川 甲子園 きみより先に降りたくないな


かなしとか会いたいとかを感じない人間ヒトに生まれたかったよマジで


「じゃあな」って別れた後に僕のこと考えたりする?僕はするけど


世界中に述べるつもりはないよただ彼を好きだと言いたいだけだ


ため息がばらの花びらに代わるなら風呂に浮かべて浸かろうきみと


「今朝きみの夢を見たんだ」それだけを下書きフォルダのいちばん上に


誰のものでもないわれはきみだけのものになりたい男なんだよ


五十音のはじめの二つそれだけを欲しいと願うのは罪なのか


なんでもない「またね」の言葉が僕たちのなんでもなくない約束になる


あいまいでいいよ僕らの将来はひとマス休んで先へ進もう

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