青藍の相聞歌集

みつるぎおくた

青藍

 届けたい愛を綴って青色のインクとペンで君モチーフの



 蒼天そうてんはインク零してできあがり君への気持ちうっかり溢れて



 詠み耽る瑠璃をインクの代えにして恋慕連ねるロルバーンの上



 想い人綴る文字すら愛しくて捨てられないよ深縹こきはなだのメモ



 夜桜を見上げる顔に見惚れては現実戻り瞑色めいいろに逃げ



 瑠璃紺るりこんの戦士と同じ装束の戦士に見える隣のあなた



 願ってる薄花うすはな色の空の下相合傘よ長く、長く、ねえ



 歩きたい鉄紺てつこん色の夜の下わずかな違い確かめ合って



 映ってる藍鉄あいてつの目に乙女顔あまりにピュアで目、逸らしてる



 帰り道温もり感じ口開けず途方に暮れる紅碧べにみどりの空



 なりたいなときめき忘れた君だけの胸キュン、弾み、恋、金春こんぱる



 別室の天青てんせいの声耳立てる抑えきれない心の弾み



 アクセサリー誕生月のものじゃなく水縹みはなだばかり探してしまうよ



 涙落ち自分の両手を首にかけそれでも零れる白群はくぐんの「好き」



 移色うつしいろそれすら見込めぬこの恋は褪せることを受け入れるのみ?



 愛知らぬ君の心の紺滅こんけしを万年筆に詰められたら、と



 新しい恋を始める準備して結局入る君の青藍せいらんばかり



 君のこと想って詠んだ言葉たち蒼天または瑠璃や群青



 伝えたい何度も何度も何回も紺碧珠こんぺきしゅ色輝く恋を



 焦がれてはあなたのいろを詠むばかり千首どころか万葉集だ




 終

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青藍の相聞歌集 みつるぎおくた @Oct2355

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