3日目「これは決して忘れてはならないその日の記録です。」
また、憂鬱な一日が始まった。
新入りが一人死に、涙を流していた職員…彼の名前はヒム。
ヒムはしばらく落ち込んでいた。
その日は骸骨…もとい「たった一つの罪と何百もの善」に
友を止めることができなかった、とヒムは懺悔した。
静かに骸骨がヒムの頭の近くへ寄る。
目を開けると、ヒムの頭には有刺鉄線のようなものがついていた。
「ミル先輩!これ…骸骨さんからもらったんですけど」
ギフトを貰ったようだ。新入りもだいぶ慣れてきたらしい。
「あぁ。それはギフトだ。奴らからのプレゼントといったところだ。
悪い効果は基本的にないから安心してくれ」
「ってことは、悪い効果のあるギフトもあるんですか…?」
不安げにヒムが聞いてくるが、
今は気にしなくていい、と諭した。
私はヒムを連れて今日収容された「1.76MHz」のもとへ行く。
抑圧作業をすればいい。大丈夫だ、死ぬことはないから安心していい
と抑圧作業がトラウマになっているヒムに伝えた。
ヒムが「1.76MHz」の収容室に入る。
ヒムは収容室の中から、
戦争中のような音や、悲惨な叫び声が聞こえてくるような気がした。
ヒムはなんとか作業を終え、収容室から出る。
メインルームへ重い足取りで戻っていく。同時に、
頭に謎の花のようなものをつけたミルが、メインルームへ戻ってきた。
ヒム「それ…もしかして」
ミル「あぁ。美女と野獣のギフトさ」
ヒム「…」
ミル「昨日犠牲になった職員がそんなに気になるなら、
抑圧作業はしなくてもいい。結果は良くないかもしれんが、
そんなことはどうでもいい。どうせ50日働くまで帰れないんだからな」
ヒム「…わかりました」
しばらくして、ヒムはギフトをつけて帰ってきた。
ヒム「この花、なんだか勇気が湧いてきます!」
新入りが元気そうで何よりだ。
Lobotomy Corporation original 珈琲紳士 @blackcoffee23
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Lobotomy Corporation originalの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます