family
森屋たもん
family
「ドリンクバー頼む人?」って言い始めるのは何人から?五人くらいから?
僕たちが勝ち取っていた完璧な自由「お好きなお席へどうぞ」
短パンで合皮のソファに座るからふとももの裏がペリペリさわぐ
テーブルの上にスマホを置いているみんな天井にカメラを向けて
平皿に米を盛られて差し出され全体的にお供えのよう
天井の死ぬほど見た絵のアモールと天使の違いを話さなかった
僕よりも絵が上手かった大竹がさっさと看板屋を継いでいる
地元まで0mの場所にいてそれでも集まっている僕たち
“東京 122km”のアオカンが見える座席の窓が開かない
チーズinハンバーグへと刺すナイフ必ずチーズに届くと信じて
ホールには田中の妹「服飾の専門に行く」ためのアルバイト
サンダルを脱いだり履いたり繰り返しだべる森村だけが童貞
「最初から一番大切なことは絶対隠すヤな奴だった」
ドリアしか頼まないから原田にはフォークの番が回ってこない
東京の美大に行ってそのあとは戻ってくるって言うウソをつく
ウソだってことはバレててドリアって毎年少なくなってるらしい
百均の色鉛筆で僕にしか描けないみんなの似顔絵を描く
ピンピンに尖らせている鉛筆を風を集めるように握った
サブスクのおかげで引っ越しはかなり楽だと思う初めてだけど
東京で田中の妹と暮らすことは隠してファミレスを出た
family 森屋たもん @tamon_moriya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。familyの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます