心臓を抉られる衝撃 熱狂と悲劇の「生々しい」描写

 人気アイドルの自殺というセンセーショナルなテーマを扱いながら、単なる追悼や事件の顛末で終わらない。

 その最大の魅力は、事件が引き起こす凄まじく「生々しい」現実の描写力。

 熱狂的なファン文化の凄まじい熱気と、その熱気が冷めた後に残る凄惨な現実が、読者に深い悲しみと衝撃を与えます。

 特に、熱心なファンであった少年・山口の視点を通して描かれる個人的な悲劇と、その赤裸々な感情の吐露は、まさに作品の心臓部。

 アイドルの死という巨大な衝撃と、一人の少年の抱える切実な悲痛が克明に描き出されたその筆致は、読み手の心に深く、そして生々しく突き刺さる傑作。

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