由香との別れ
その言葉が耳に届いた瞬間、世界が一瞬静止したかのように感じた。由香の真剣な表情が、俺の心臓を強く叩いた。言葉に詰まっていると、踏切の警報音が響き渡り、遠くから電車の音が近づいてくる。
「えっ、どういうこと?」と、思わず問い返した。
由香は少し俯き、ため息をついてから顔を上げた。「あのね、健太くんと過ごしている時間が、本当に楽しくて、大切に感じるようになったの。それで…」
踏切のバーが降り始め、俺たちは道の端に寄った。電車が通り過ぎる間、俺の頭の中は彼女の言葉でいっぱいだった。電車の音が消えると同時に、由香が再び口を開いた。
「だから…引っ越す前に、この気持ちを伝えたかったの。健太くんがどう思ってるかはわからないけど、私の気持ちを知ってほしかったんだ」
「由香さん…」俺の胸は熱くなり、言葉が詰まる。
「それだけじゃないの」と由香は続けた。「実は引っ越す理由は、お父さんの仕事だけじゃなくて、私の夢を叶えるためでもあるの」
「夢?」
「うん、私は声優になりたいんだ。だから、東京に引っ越して専門学校に通うことにしたの」
「そんな大きな夢があったんだね。すごいよ、由香さん。応援するよ、絶対に」
「ありがとう、健太くん。でも、離れてしまうから…こうして気持ちを伝えたの」
俺は由香の目を真っ直ぐに見つめ、心からの言葉を絞り出した。「俺も、由香さんのことが好きだ。ずっと君のことを考えてた。でも、どう伝えたらいいかわからなくて…」
「健太くん…」由香の目が潤んでいるのを見て、俺は胸が締め付けられる思いだった。
「たとえ離れても、俺たちの気持ちは変わらないよ。ずっと連絡を取り合おう。俺は君の夢を応援するし、君が頑張っている間、俺も頑張る」
「うん、そうだね」と由香は涙を拭きながら微笑んだ。「ありがとう、健太くん」
そのまま俺たちは駅まで歩き、由香が乗る電車を待った。電車が到着すると、由香はもう一度俺の方を振り返り、小さく手を振った。
「またね、健太くん。また会おうね」
電車が動き出し、由香の姿が小さくなっていくのを見送りながら、俺は彼女との再会を強く願った。
それから数週間、由香と俺は頻繁にメッセージを送り合っていた。お互いの近況を報告し合い、時には電話で話すこともあった。彼女の声を聞くたびに、距離を感じさせない温かさを感じた。
ある日、学校からの帰り道、俺は再びあの踏切の前で立ち止まった。あの日の出来事が鮮明に思い出され、由香の言葉が心に響いた。
それから数ヶ月が過ぎ、俺は勉強や部活に集中することで、少しずつ自分の道を見つけようとしていた。由香とは変わらず連絡を取り合っており、彼女の成長を感じるたびに、俺も刺激を受けていた。
ある日、由香から一通の手紙が届いた。手紙には、彼女の新しい生活や学校のこと、そして俺への感謝の気持ちが綴られていた。その中で、彼女はこう書いていた。
「健太くん、私は今、声優としての夢に向かって頑張っています。毎日が新しい挑戦で、楽しいことも辛いこともあるけれど、あなたの存在が私を支えてくれています。だから、健太くんも自分の夢を見つけて、共に頑張っていきましょう」
神様、賽銭箱に10,000円を奉納してみた結果、学校一の美少女とお友達になることができたのでご報告!!恋愛運急上昇中!!かんしゃ、かんげき-雨じゃなくて涙が!また行きますね。 宮川祭 @miwaka_sai
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