第3話

「んで、早速奴らのアジトの前にきてみたわけだが...」


「ほんとに行くの?僕戦うのとか、専門外なんだけど!」


「そんな長い前髪してるからだろ!つべこべ言わずさっさと行くぞ!」


「お主ら、声がでかいぞ、気をつけんと奴が..

.」



ガシャン、ガシャン、



そんな人間の体からは到底出ないであろう音を出して後ろから近づいてくる『物』をペインが恐る恐る振り返ってみると、そこにいたのは、当たり前だが、奴ら____ロボットだった。


列の最後尾でうじうじしていたペインの肩を掴もうと手を伸ばしてくるロボットに、ペインは怯えて声も出さずに固まっている。


「お主!今すぐその手を離さぬか!」


ひめしじみが戦闘体制に入り、先の尖ったかんざしをロボットに向けた時、フェミニンが彼女の動きを止めた。


「お姉様、ここはわたくしに任せてくださいまし。」


そう言うと彼は、ペインを分析しているロボットに対してまっすぐ手を伸ばし、こう言った。



「人々を苦しめいたぶる悪の親玉よ。

        袖に縋ってももう遅いわよ!

 わたくしの必殺技で袖を絞りなさい!


【カフ・スリーブ・アームホール】! 」


必殺技のような言葉を唱えると、彼の着ている袖からいくつかの銃口が飛び出した。



______が、それだけだった。



ひめしじみもペインも口を開けた。しかし言葉は出なかった。

心なしかロボットさえも呆れているように見える。



「あぁ?..えー?針が詰まった?そんなぁ


 致し方ありませんわね。こうなったら..」




「強! 行! 突破! ですわああああああああああああああああああああああああ!」




のちにペインはこう語ったという




「いやぁ、あん時はほんとびっくりしたなぁ。

だって、フェミニンさんが叫びながらこっちに走ってくると思ったら、次の瞬間ロボットの体が真っ二つになってたんだから。

ほんとすごい【かかと落とし】だったよ。」


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