と、思いました
春山
と、思いました
深夜より深く早朝より早い時間に届く夢のひとひら
人生のタイトルコールを一斉に─ループ再生はOFFにして
月を指さす無声映画の中の君 僕は〈好き〉と勘違いする
スタンド・バイ・ミーみたいにふたりで歩く死体もちゃんと用意する
ホットのいちごミルクで舌先を火傷する まるで恋 まるで恋
地下鉄を英語にしたらHighWayだよ地下鉄は気分が上がるし
飲みかけのウェルチがワインになっていて僕も神さまになっていた
ラジオからヒトの滅亡を伝えられ運転手と顔を見合せた
胎動かと思った。手を振れば暖かくなる使い捨てカイロに
明日からは教科書にない季節ですコンテニューしますか?▶はい ▷いいえ
ポケットのチョコが溶けてしまわぬように人混みを抜けたらば春
い・ろ・は・すは夏っぽくてそれはそうと君のいない世界の色果す
フラッシュが残す命の輝きは千年後届く星の光
つり革を両手で握る何かから振り落とされる気がして強く
風船に人工呼吸これは人だったもの早くAEDを
ストライクバッターアウトバッターはまたしても俺ずっとずっと俺
まだ誰を撫でたこともない風が吹く潔癖症の僕のために
おふとんを抱いて眠る。おふとんを抱いて眠るとやさしくなれる
メリーゴーランドを駈ける草原を知らない馬の閉園後の夢
夢遊病患者の手に朝握られている花を彼だけが知っている
と、思いました 春山 @Mt_spring
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