あとがき

『異形の巫女さん』でした。


 ああ、みなさま!


 読んでいただき、まことにありがとうございました!


 いかがだったでしょうか。すこしでも楽しんでいただけたらといのっております。いや巫女さんのごとく祈祷きとうしております。(笑)


 内容といたしましては、中高生女子にも読んでほしくて、なるべく軽くしたつもりです。


 でもなんでしょう。最後に詰めこみすぎた感もあります。ポテチ片手に気楽な心で読んでほしいはずが、けっこう疲れる作品になっていたらすいません!


 軽めにはしましたが、おとなにむけて伏線を張りめぐらしました。つなげまくりました。


 それは、くだらない所にもいっぱいあります。これどうでもいい話ではありますが、いくつか例に書かせてください!


 最初に渋谷へ行ったのはカヤノちゃんを入れて四人の同級生。帰りの電車で見るのも四人の男性。そして児島で見つける仲間も最後は四人とか。(イザナミをのぞく)


 ほかだと、最後の敵である鬼塚。うぐいす色の着物をきてましたよね。途中にうぐいすではなく、メジロがでるシーンありますが、おなかが茶色いのはオスです。逆にピンクの梅の花は女性っぽいですよね。


 そんな感じでストーリーだけでなく、モチーフとかもつなげてみた今作です。


 あとはなんでもかんでも「道」と「電車」とか。最初から「路地裏」です。喫茶ニルヴァーナがせまい道。この作品はとにかく道と電車が多いです。


 そうなるとですね、不思議なもので、ほかも合う風景が乗り物だったりしました。海を見つめていても、やっぱ漁船が書きたいんです。雲とかじゃないんです。


 ストーリーもキメ細かくやってみました。最後にヒナちゃんが「おとなの見下す目がキライ!」というようなセリフがありますが、作品でヒナちゃんと会話するシーンは、すべて座って会話しています。カヤノちゃんがヒナちゃんを見おろすシーンはありません。


 また途中にカヤノちゃんがこんなことを思うシーンがありました。「大きな海=おとなの世界。そこで漁をする小さな漁船がヒナちゃん」と。ラストはそこにつなげた暗示にしてみました。小さくなってく漁船は、これからおとなの世界へと船出していくカヤノちゃんです。


 まあ、こんな細かい所なんてどうでもよくて、うひょー!と楽しんでくれれば、それでいいんですけどねっ!(笑)


 なんだか今回は、生活感のある作品になってしまいました。


 ぼくの作品で「アトボロス獣王記」ってのがあるんですが、あっちはもう風とか大地、荒野、そんな感じなんです。自然が好きだと自分でも思ってたんですが、今作「異形の巫女さん」は書きだしてみると「いなかの自然」っていうより、「いなかの生活感」っていう方向へ行きました。


 あっ、「荷車」って喫茶ニルヴァーナへ行くときにカヤノちゃんと鈴子さんの会話でも出てきます。そのあと風の道で付喪神としても出てくるので前触れで出しました。


 それがどうした! って話ではあるんですが、今作は一冊分でまとめようと思ったので、いろいろ細かい部分もつなげてみました。またヒマすぎるときの二度目読みのネタにしてくださいませ。


 それから、途中に出てくる「祝詞のりと」という言葉があります。あれの最後、正しくは「まもをす」なんですが、あえてまちがった書きかた「まをもうす」としております。


 この理由は、正しいほうが誤植、つまり書き間違いっぽく見えると思いました。アクションシーンはいきおいよく読んで欲しい。そんなときに「あれ、誤植かな?」って止めさせるがイヤだったので、フィクションとして創作させていただきました。神社関係におくわしいかたがいましたら、ご容赦くださいませ。


 さて今作のきっかけは「本格的な巫女さん物語を書いてみたい!」でした。わき役とかじゃなくて、がっつり巫女、がっつり神社。


 ここまでがっつり書いてる物は、ぼくの記憶では他にないと思います(もしかしたら知らないだけで世の中にはあるかもしれませんが)


 神社を書くなら、どうせなら「海の見える神社」なんていいなと思って探したら、あるじゃないですか。岡山県の下津井というところです。「護国神社」という神社が!


 んでですね、ロケハン行ったら「風の道」というのも見つけまして。作中「下田井鉄道」と書いていたのは「下津井鉄道」のことです。


 さらに「時の回廊」という喫茶店も見つけ、「いづつや」という地元の回転寿司屋も見つけ。


 ロケハンで見つけた物をああだこうだとつなげて作ってみました。


 いまはもう鉄道事業はしていない「下津井電鉄」ですが、児島の町には「下電ホテル」という海辺のホテルがあり「下電バス」が走っています。


 そして観光名所として「旧児島駅」「旧下津井駅」は残っております。みなさまの長い人生で、岡山県に行く機会がありましたら思いだしてやってくださいませ。


 この物語に出てきた物、名前は変えたりしてますが実はすべて実在します!あの「顔の切れたお地蔵さん」さえも!(笑)


 いやぁ、つなげるの大変でした(笑)


 初めてのこころみも多かったので、めっちゃ不安(笑)このあとがきを書いているのは最終話を書いたあとです。つまり、最終話を読んだかたの反応がまだわかりません。


「書き終えた時って、達成感あるんですか?」


 と人から聞かれることがあります。作者によって色々でしょうが、ぼくはこう。


「不安。とにかく不安!」


 これです。(笑)


 私が書き終えた時の感想というのは「不安」しかないのですが、作品の内容には関係ない感想あります。


 内容ではない感想はこれ。


「いやぁ、やっぱりWEB向きじゃない作品ですので、人気は薄いですねぇ!」


 苦笑。自分で苦笑。


 まあ、いつの日かキンドルの電子書籍にでもだして、もう少し読まれないか努力してみます。


「そこは気にすんな!」


 という声も聞こえてきそうですが、なんせ上位陣はすごいですからね。そこの1/100、いや1/1000、でも来ないかなぁと思ってしまいます。


 あっ、でも、人気薄ですので、読んでいただいたかたには、もうそれは言葉につくせぬほどの感謝があります!


 ほんとにほんとに感謝なのです!ほんとに・ほんとに・ほんとにぃぃぃ!(しつこい)


 そしてレビュー、コメント、ハート、ひとつひとつに救われました。おかげさまで、なんとか書き切れました。


 書き切れたのは、読んでくれる人がいる。これにつきます。


 ああ、あと、今作はキャラにめぐまれたって感じもあります。カヤノちゃん、イザナミさん、鈴子さん、ハナちゃんヒナちゃん。五人すべて、書いていて楽しかったです。


 五人のうち、ひとりでも好きになってくれるキャラがいたら、めっちゃ嬉しく思います。


 さて、次はなにを書こう。


 またこのヨヨヨが書く作品で肌の合う作品がありましたら、ぜひ読んでやってくださいませ。


「感謝なのじゃ!」


 とハナちゃんの言葉を借りて、しめさせていただきます。ありがとうございました!




 代々木夜々一



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異形の巫女さん 代々木夜々一 @yoyoichi

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