第7章 大国家改革の始まり
第60話 国家改革の第一歩、まずは公衆浴場作り
「おい……お前ら。食い過ぎだぞ……ん?」
ハッ! あれ? ここどこだ? 確か眠れなくて参謀会議室で朝まで……。てか、ここ僕の部屋じゃん! 誰かが運んでくれたのか。
というか外が暗い……これはもしや──昼夜逆転!?
はぁ……誰か起こしてくれよ。
てか、さっきから手に違和感が──うお! これは僕が考えて紙に書いた国家改革の住み良い街作り計画書! だ、誰も見てないよな?
その前に名前が長いから国家改革計画書にしよう。
僕は自分で書いた計画書の一覧を見た。
うーん。やっぱ最初はこれだよな……。
寝ていて忘れている部分もあるが、この課題が改革の第一歩になる。
それは何かと問われれば──もちろん公衆浴場の銭湯だあああ!
しかしここで問題があるのだが、取り敢えず試すだけ試してみよう。
そして僕は気配遮断のスキルを使い王宮から抜け出すと、首都である街の中の大広場まで、国民が寝静まっている時間に、足を向けた。
この改革が上手く行けば、朝になったら大騒ぎだな。
取り敢えず、大広場の中央は演説とかする時に使うから──少し隅の場所を選ぼう。
僕の前世の記憶だと、公衆浴場の銭湯と言えばスーパー銭湯なんだよな。
結構何でも揃ってる、アミューズメント的な場所が鮮明に記憶に残ってる。
っと、その前に。これから公衆浴場を作る場所に、気配遮断結界を念の為に張っておこう。
僕は両手を翳して気配遮断結界の権能を行使したが──ぶっちゃけ、何も変わって無いような……。
周りからは、どう見えてるんだろう? まあ、早く作りますか。
前世の記憶をフル活用して創造するっと──まずは大浴場だろ、それにジャグジーもあったな、サウナもあったし露天風呂もあった。ジャグジーは流石にいらないか。構造がよく解らんからだ! まあ何となくは想像できるが、何となくでは意味が無い。物質創造で精巧に作るためには構造を知っておかなければ。
さらにだ、マッサージや理髪店やレストランもあったけど……作ったとして、その仕事を任せられる人がいないから、今はまず、お風呂メインで作るか。
そうだ! どうせだったら、今後のことも考えて驚くほど大きく作ろう。住民が増える事を考慮して作らなければいけないからな。
それじゃあ国家改革の第一歩に着手しますか!
まずは前世でのスーパー銭湯をイメージして──大浴場──サウナ──露天風呂──外観は和風な感じで────よし! イメージ完了!
ではでは行きますか。支配者之天運の権能、物質創造を行使だ!
ん? 何も起こらない。やっぱり想像力不足──って、急に出たああああああ!! 何だよ時間差があったのか。
うんうん。大きさと言い外観と言い、まさに前世のスーパー銭湯だ。
そして中に恐る恐る入ってみると──おお! 出来ている!!
まずは真ん中に大浴場! シャワーも付いてるけど……想像する時に、シャワーも無意識に想像してたのか。それと、サウナもあるね。あとは露天風呂だけど──どひゃああ! まさに周りが小さな岩に囲まれた秘湯って感じでいいじゃない! つーか、この露天風呂……王宮内に欲しいぐらいだ。
まあ、後で作るけどさ。しかし、作った後に考えたが、公衆浴場内にプールやスポーツジムも作ればよかったかな? うーむ、それじゃあ余りにも豪華すぎるか。
プールやスポーツジムは、また別の場所に作ろう。
後は一番肝心なアレだよ。ア、レ。そうお湯だ!
どうせなら本当の温泉にしたいんだよな〜。ちょっと外に行ってダメ元で試してみるか。
僕は
それもかなり遠くまでだ。
さてと、減るもんじゃないしダメ元だよな。僕が何をしようかと言うと、言語実現で天然温泉を地中から湧き上がらせる事だ。さらに、かなり遠くまで来たのは、天然温泉特有の硫黄臭から避けるためである。
まあ、臭いだけ無くなれと言えば、それまでだが──よし。じゃあやるか!
「天然温泉よ! 地中から湧き出ろ!」
────しかし何も起こらなかった。
だよね〜そんなに都合よく──すると突然、僕の目の前で天高く地中から、天然温泉が湧き出たのだ。これには流石に驚愕を隠しきれない。
ええええええ!? なんでだ?
【伝えます。アルティメットスキル、支配者之天運を獲得した際に、言語実現が空想言語実現に進化しています。この権能は言語実現のスキルに加え、強く想像を膨らますことにより、実際に空想と言う形で、言語実現のスキル以上の事が言語実現化される権能です】
え? ちょ、待って! じゃあタレの下準備している時に、もうこの権能はあったの?
【伝えます。ありました。ですが、個体名ピーター・ペンドラゴンが余りに急いでいたので黙っていました。配慮です】
は、はぁ……配慮ですか……。というか、この二つの権能の力、かなりブッ壊れチート能力だな。使い方次第で何でも出来るじゃん!
いや〜これで、前世での記憶のダブルコンボ技が出来るってことか。
てか、その前にこの温泉の地下に配管を作って、ルストの街の公衆浴場まで引かないと。
って、もう温泉のお湯が溜まってるし。よし、ここの場所は僕だけが知ってる秘湯にしておくか。
大宮殿さん。ここの天然温泉のお湯をルストの街まで引きたいんだけど、何かいい方法はある?
【答えます。空想言語実現の権能で、ルストの街までお湯を引くことは可能です。しかし、その前に物質創造で配管を創造し、天然温泉が沸いている地下に配管を通して、ルストの街の公衆浴場までお湯を引けと、空想言語実現で言う必要があります】
解った! ありがと!
そして、僕は大宮殿さんに言われた通りに、全ての工程を済ませた。
ふぅ。後は実際に──って、排水管を作るのを忘れていた。
そして慌てて、物質創造と空想言語実現の権能を行使して、大宮殿さんに言われた通り、排水管の設置方法などを聞き、今度は完璧に全ての工程を終わらせ、瞬間移動のスキルの転移魔法陣ですぐさま、ルストの街の公衆浴場まで戻った。
実際の所、ちゃんとお湯が引かれているのか、半信半疑だったので、恐る恐る公衆浴場の中に入ると──ちゃんとお湯が通っていた!
おお! 我ながらなんか偉大な事をした感じがする。
大浴場に露天風呂! これは絶対に喜ばれるぞ!
大宮殿さん。因みに何だけど、この温泉の効能とかって解る?
【答えます。記憶の大宮殿の権能の一つ、成分分析で分析可能です。分析しますか?】
もちろんYES!
【答えます。分析した結果、この温泉の効能は、疲労回復、神経痛、筋肉痛、肩こり、高血圧、動脈硬化、きりきず、やけど、慢性皮膚病、美肌作用、冷え性、自律神経不安定症、不眠症、うつ状態、末梢循環障害、関節リウマチ、糖尿病、痛風が該当しました】
うへ〜。これもう病院みたいなものじゃん。まあ、後でちゃんとした病院は作る予定だけど。簡易的なリハビリ施設にもなるな。
それに冒険者にも人気が出るだろう。
いつもポーションばかりじゃ、心身がちゃんと休まらないからな。
さらに、さらに、忘れてはいけないのが、シャンプーにリンスにボディーソープだ。
それと、物質創造でタオルも大量に創造してっと。おっと行けない。サウナは──大丈夫だ。ちゃんと焼け石もあるな。
はぁ〜。一夜城ならぬ、一夜公衆浴場の完成だ。
明日が楽しみだな。そして僕は公衆浴場の周囲に張っていた、気配遮断結界を解き、王宮に戻ると──さらなる国家改革の為に、計画書を読み直した。
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