第29話 宗教国家誕生の課題
むう……気が乗らない。と言うか、これからルストの街に行くけど、ウーグになんて言えばいいんだ?
「何か〜エンシェントドラゴンに言われて〜アンデルヘイズの〜教皇になりました〜テヘッ!」なんて言えるか!
あのウーグの事だ、また大騒ぎするんだろうな……。
よし、こういう時は鑑定だ。何かずっと自分のスキルとかステータスが気になってたし、しかもこのドラゴンの里の、プラチナオーブはたくさんあるって、エンシェントドラゴンも言ってたし。
そして、僕はファフニールに頼んで、プラチナオーブを持って来て欲しいと言ったところ二つ返事で持ってきてくれた。
流石はアルティメットスキル帝王之魅了だな。
そして待つこと数分──ファフニールはプラチナオーブを持って来てくれた。
それじゃあ……久々の鑑定タイムだ。
僕はそっとプラチナオーブに手を翳し、ステータスがホログフィーで表示された。
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LV:40
JOB:ギャンブラー(魔王竜)
HP(体力):61000
MP(魔力):76000
STM (持久力):40000
STR(筋力):53000
DEX(器用):68000
AGI(敏捷):87000
TEC(技量):53000
VIT(耐久力):45000
LUC(幸運):99999
エクストラスキル
・ファイアブレス
・ブリザードブレス
・ポイズンブレス
・
・
・気配遮断
・思念看破
・真祖之爪
ユニークスキル
・ドラゴンシャウト
・光速疾走
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・
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・マスターギャンブラー
・オーバーラック
・記憶の大宮殿
・竜王之紋章
・インベントリ
・亜空間部屋
アルティメットスキル
・古竜之加護
・竜王之息吹
・全能之結界者
・帝王之魅了
・治癒之大精霊
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どひぇえええ!! ステータスもかなり上がっているが──なんだこのスキルの数は!!
そして、プラチナオーブは例の如くヒビが入り割れた。
というか、一番気になるのが──ジョブだよな……何だろう? ギャンブラーのジョブの横に魔王竜って書いてある。
【答えます。魔王竜は、特定のスキルを保有することにより、魔王竜になる資質がある存在ということです。今現在保有しているユニークスキル竜王之紋章と、アルティメットスキル古竜之加護と、アルティメットスキル帝王之魅了が該当しました。これらのユニークスキルとアルティメットスキルにより、魔王竜になる資質があると推測されます】
うーん、何か余り良い響きじゃないな……まさに勇者の敵って感じだ。
っと、そんなことよりも、今のステータスやスキルも確認できたし、さっさとルストの街に行きますか。
「おーい! エルー! またルストの街まで飛んでくれ! アグニスも早くエルの背に乗ってくれー!」
「解った! ピーター様」
「解ったわよ。大きな声を出さなくても聞こえてるわ」
そして、大急ぎでルストの街まで戻った僕らは、これまた大急ぎで商人ギルドまで行き、ウーグにエンシェントドラゴンから言われた事を全て話した。
「……無理っす! 不可能っす! このままピーターさんが王位に就いて商業国家を続けるなら、可能っすけど。新たな国家を樹立させるには、他国から国と認められなければならないっす。今現在で弱小のアンデルヘイズが新たな国家を樹立させるには、相当の軍事力を他国に認めさせる事になるっす。でもそんな軍事力はこの国には無いんすよ。元々が中立国家だったんすから……。もしそれを無視して新国家を作ったら、全ての国に宣戦布告しているのと同じなんすよ! だから不可能っす! しかも宗教国家なんて、マギアヘイズと戦争する気まんまんじゃ無いっすか。まあ新たな国を作らなくても狙われてるっすけど……マギアヘイズに」
なるほど、ウーグの言う通りだ。
他の国から自国の強さをアピールしなくちゃいけないのか。
だが、急に兵士がポンポン湧いて出てくる訳でもない。
よし! 王様──いや教皇になるのは、無し!
なんてエンシェントドラゴンに言えるか! あいつノリノリだったからなぁ……あっ? そうだ、ドラゴンの力が他国に力を示してるじゃん。
「フフフ、ウーグ君。解っていないな? 我が国にはドラゴンの里がある!」
僕がそういうと、ウーグは大きく溜息をついた。
「ドラゴンの里があるから、中立国家として、認められたんすよ! だからドラゴンの他に兵士──うわああああああああ!!」
「何だよ!? 急に大声出すなよ!」
「あったっす! 可能性は低いっすけど、他国に同等の強国だと認めさせる方法が!! ドラゴンの他に伝説級の魔獣や魔人を多数従えさせれば、それだけで、数百万の軍勢を持つ大国と認められるっす! つまり、それだけの権力と権威が宗教国家の教皇にあると他国が認めるんすよ!」
ふむふむなるほど──つまり、前世の記憶で行くとだ。安いアクセサリーをジャラジャラ身に纏うよりも、数百万の腕時計をしている方が勝つみたいな感じかな。違う気がするけど。
まあ、つまりだ。とにかく強い奴らをジャンジャン勧誘して、この僕に従わせることができれば、他国から認められるってことか。
「なあウーグ。所で、伝説級の魔獣や魔人がいる場所とかってあるのか?」
「まあ……あるっちゃあるっすけど……ガルズの地獄と言われてる、バルルマヌルって場所があって、あそこは入ったら二度と出られない、様々な地形──というか、ダンジョンになってるんすよ」
「ダンジョン? ってことは、バルルマヌルに行ってダンジョンの中に入れば良いのか?」
「まあ……そうっすけど……ダンジョンが出来る周辺は魔素溜まりになっていて、ダンジョン周辺のモンスターに襲われて、ダンジョンの中にも入れないと思うっす」
ウーグはどうしたものかと、頭をボリボリと掻いていた。
「大丈夫! そんな簡単なことで良いんだな? じゃあバルルマヌルまでの地図をくれ! それとプラチナの──」
「あっ! プラチナ鉱石の結晶の方だったら準備できてるっす! それと、これがバルルマヌルまでの地図っすけど……本当に行くんすか?」
「もちろん! 僕に任せなさい!」
そう言って、大金貨1500枚とバルルマヌルまでの地図を受け取った。
正直、大金貨1500枚はかなり嬉しい。早いとこインベントリに閉まっておこう。
いよっし! そうと決まれば──伝説級の魔獣や魔人を、帝王之魅了で勧誘しまくるぞ!
これで新国家を誕生させられる。
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