第11話 エルダードラゴンとの出会い


 何だかドキドキするな、今ままで幸運の能力数値だけが異常に高かったから、竜の加護持ちになって、どれぐらい能力が高くなったんだろう?


 エンシェントドラゴンは他の竜に新たな、プラチナオーブを持ってくるように言うと、すぐに僕の前にプラチナオーブが届けられた。


 「さあピーター・ペンドラゴンよ。両手を翳してみろ」


 エンシェントドラゴンに言われるがままに、両手を翳すと──ステータスが表示されたが、これは!


————————————

 LV:4

 JOB:無し

 HP(体力):54500

 MP(魔力):71200

 STM (持久力):36000

 STR(筋力):48000

 DEX(器用):62000

 AGI(敏捷):77000

 TEC(技量):43000

 VIT(耐久力):39000

 LUC(幸運):99999


 スキル

 ・モンスターチャーム


 ユニークスキル

 ・ドラゴンチャーム

 ・オーバーラック

 ・記憶の大宮殿

 ・竜王之紋章

 ・インベントリ

 ・亜空間部屋


 アルティメットスキル

 ・古竜之加護

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 どひゃああああああ!! 何だこのステータス!!


 そして例の如く、プラチナオーブにヒビが入り、音を立てて割れた。


 つーか、竜王之紋章って何だあああ!? ああ、この胸部の竜の頭の絵っていうか、刺青か……。それよりも!

 古竜之加護って何だあああああ!?

 しかも何でも無限収納できるインベントリに……亜空間部屋? 何だこれ? まあ、一言で説明するなら……加護最高!!


 どんだけスキル詰まってるんだ? ウキウキが取らないぞ!

 その前に、なんでこんなにステータスが上がったんだ?


 【伝えます。異常なステータス上昇はエンシェントドラゴンによる、古竜之加護のスキル、古竜之力が反映されています】


 なるほど〜って! 古竜之加護、凄すぎないか? これなら即、魔王なんて倒せるじゃん。今は魔王よりも戦争を止めないとだけど。


 【伝えます。このガルズの世界に魔王は存在しません。2213年前に伝説の勇者が古竜之加護の力によって、魔王を討伐したので、現在は魔王ではなく竜種がこの世界の頂点に君臨しています。因みにモンスターが魔王無き今も存在するのは、各地にあるダンジョンと呼ばれる魔素溜まりの中から出現するからです】


 えっ! ダンジョンあるの!? 行きたいとは思わないけど、ダンジョンって本当にあるんだな。てか、インベントリは解るけど亜空間部屋って何?


 【説明します。亜空間部屋とは、過去に戦闘したモンスター並びに人間種や亜人種との精神対戦が可能な空間です。あくまで精神だけの戦闘ですので、精神力がなくなれば死ぬことは無く、亜空間から解放されます。しかし、亜空間部屋で精神対戦を行うと、実際に戦ったのと同じ経験値が付与され、レベルが上がります】


 なるほど、効率よくレベル上げの修行ができる場所なのか。


 「ふむ、老いたとは言え、まだまだ我の加護は中々だな。ではピーターよ。我はドラゴンオーブを造るので、好きなドラゴンを見つけよ!」


 そう言って、エンシェントドラゴンは両翼を振るわせると、竜巻が如く猛風を逆巻かせて、どこかに飛び立って行った。


 好きなドラゴンね〜。おっと、ドラゴンチャームを解除しないと。てかどうやってこれ解除するの?


 【伝えます。ドラゴンチャームの効果を一時的に解除しますか?】


 もちろんYES!

 つーか、何でもかんでも大宮殿さんに、おんぶに抱っこだな。


 はてさて、それじゃあ──ていうか、いきなり背中をナイフでグサリと刺されるような視線が、あっちこっちから。

 まあ、チャームが無いんだから、ただの里を荒らしにきた部外者的な立ち位置何だろうな。


 しかし、敵視する目線のドラゴンが何だか少ないような……。


 【答えます。個体名ドラゴンたちは、ユニークスキル、竜王之紋章のスキル、竜王覇気により個体名ピーター・ペンドラゴンに安易に近づかずに様子見をしています】


 え? 竜王覇気ってあのワイバーンが平伏してたやつか。つまり、ワイバーン以上のドラゴンじゃないと攻撃してこないってことか。


 しかし、見た目がな〜。みんな強そう何だけど、まさに世界を滅ぼすぞって感じのドラゴンばっかり。


 【伝えます。現在ドラゴンの里で、個体名ピーター・ペンドラゴンの竜王覇気に耐えられるドラゴンは、個体名ファフニール。個体名バハムート。個体名ヒュドラ。個体名ニーズヘッグ。個体名エルダードラゴンです】


 なんかゲームで聞いたことあるような、邪竜ばっかじゃね?


 【答えます。エンシェントドラゴンの竜王覇気により、これら邪竜は全てエンシェントドラゴンの麾下にあります。ですがエルダードラゴンは邪竜ではなく、エンシェントドラゴン同様の存在として気高い竜種でしたが、この二匹が里長の座を決める激闘をし、エンシェントドラゴンが勝ち、今ではエルダードラゴンよりもエンシェントドラゴンの方が、他の竜種から敬服されています】


 なるほどね〜。でも邪竜じゃなくてエンシェントドラゴンみたいなやつなんだろ? だったら、エルダードラゴンかな〜。

 いきなりファフニールの背に乗って街に現れたら、新たな魔王とかって思われそうだし。


 【伝えます。その考えには多いに同感します。そして今、エルダードラゴンが接近してきています】


 え? 何? ぬあああああああああ!!


 す、凄い暴風だああ!! 飛ばされるううう!!


 「貴様かあああ!! あのエンシェントドラゴンを誑かし、ドラゴンオーブを造らしている人間は?」


 凄い威圧だ。僕の竜王覇気が無かったら、とっくに気絶しているぞ。

 しかし、エンシェントドラゴンに勝るとも劣らない神々しい威圧だ。


 多分、勝ち負けは、ギリギリの所でエンシェントドラゴンが勝ったのだろう。


 燦然と輝く黄金の鱗は、まるで他を圧倒し全てを薙ぎ倒すグレイトドラゴンみたいだし。

 立派に生えた二本の角はまるで叡智の結晶みたいだ。

 大きさもエンシェントドラゴンを一回り小さくした程度で、かなり立派な体躯である。体幹も凄いんだろうな。


 里の掟で勝たないとダメだってエンシェントドラゴンが言ってたけど、僕はもう決めた。


 エルダードラゴンを仲間にしたい。


 何より、この気高さに惚れた。

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