現代ドラマ風のお話です。
ライトノベルよりは文芸作品に近く、登場人物たちの営みが克明に描かれています。
序盤、青少年時代の青く瑞々しい感性が短い文章でありながら色鮮やかに提示されます。
思春期故の忌避、嫌悪、困惑、歓喜。
揺れ動く心情を丁寧に読み手に伝えてくれるので、するりとお話の中に入ることができるでしょう。
本編は全体的に静謐な印象の強い作品ですが、それがミステリアスな作風によくあっていて先の展開を期待させます。
まだ途中ではありますが、読み応えがあります。
『保安局』はどう動くのか?
登場人物たちはどう成長していくのか?
fileごとに追うのが楽しみになる作品でしょう。
流行りとは一線を画した小説を読みたい方に強く勧めたい作品です。