たはぶれごと
豊島夜一
たはぶれごと
春風とできたばかりの面皰かな
麗かを蹴り上げてみたいと思ふ
三十七度目の春は飽きが来る
自分の足に躓く青春だつた
白米にバターと醤油夏近し
医師薬剤師を取り持つ夏日かな
雨上がる烏賊墨色の五月晴
虹かかる服より訳を洗ひ出し
炎天や例え話が的外れ
言葉では救えぬことがあり晝寝
左右会話狭間は凪今はビール
大人しき泡のサイダー静かな
百均のやうな人生をおくつてゐる
枝豆の一顆の如き思索かな
日の盛り猿の剥製と目が合つた
地球に引き籠もるばかり天の川
人狼に喰はれてからの夜は長し
蒲団ぐねぐねきつとどこかの踊り
タイパタイパタイパタイパ大晦日
面倒と書くのがめんどくさい日に
たはぶれごと 豊島夜一 @toshima_yaichi
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