ウバステ【第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト 短歌二十首】
湖ノ上茶屋(コノウエサヤ)
短歌ニ十首部門「ウバステ」
ひぃふぅみぃ 貴方の腹を突き出した
頭数にない 謎が解けた
うちの子じゃないと言われた あの日から
私は養子と思って生きた
締め出され 交番行こうとした私
入れと命令したおばさん
あの時に ちゃんと交番行けたなら
私の人生 どうなってたかな
隠してた 布団たたきを 同居人
指令を受けて 貴方に渡す
絶叫と共にバシバシ叩かれる
怒りを買った 理由は不明
愚痴を吐き スッキリした顔する貴方
闇背負わされ 息できぬ私
あの頃の 私は涙しなかった
心はすでに 殺されていた
肉体を 自ら殺さなかったのは
貴方をヒロインにしないため
不登校 なぜならなかったかというと
お家が嫌いだったからだよ
察しては 親の理想を追っていた
夢など叩いて 割られるからと
私の名 勝手に使って花贈る
貴方は世間しか見ていない
決めゼリフ 「あなたのために」 反吐が出る
〝あなた〟は〝私〟のことじゃないもの
あれこれと 強制してくる貴方とは
付き合い切れぬと絶縁した
こびりつき 剥がれぬ声が今も鳴る
貴方の呪いはとても強いね
夢に出た 貴方へ叫ぶ「死ね、死ね!」と
その夜初めて 寝言で起きた
愛されて 育つ人を目にするたびに
私の中の 幼児が喚く
断ち切ろう 毒の連鎖を我が代で
心に決めて 頑張るけれど
信頼をされたことがないからなのか
信頼をする術が分からない
愛知らない 私には愛も分からない
空気を掴んで 模索する日々
ウバステ【第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト 短歌二十首】 湖ノ上茶屋(コノウエサヤ) @konoue_saya
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