悪役キャラクター令嬢セレクト

 流石…悪役令嬢、悪役と名乗るだけあり、余りにも死ぬので攻略を聞かざるを得ない。

 持ち主の田辺某に、聞いてみる。


「何だこのクソゲー、攻略法を早く!」


「いやいや、だからタツちゃん、まだ序盤なんだからとりあえず話を聞いた方が良いって」


「本当に?もし嘘だったら田辺某はヒロのお父さんと一晩布団を共にしろ、リアルおっさんアヴァンチュールを見せろ」


「え?何で?」「親父とベッくんが何で?」


 田辺某に嘘をつかせないように約束して、私は再度プレイした。


【3周目】――――――――――――――――


「アレが悪役令嬢ね…凄い顔…」

「何で知性が感じられないのかしらね…」

「きっと足が複数ある虫から転生したのよ」


 悪役令嬢ってのは大変だな。ずっと聞こえる様に悪口言われとるぞ…


 同時に淫乱アイカ姫も噂される。


「隣国の王女だからって調子に乗ってない?」

「滅亡したんでしょ?ちょっと綺麗だからって良く騎士団長に色目使えるわね」

「何か王子にも色目使ってるそうよ?節操ないわね」


 ガッ!


「ウワァ悪役令嬢!?」


 それしか言えねぇのかと思ったが…今、アイカの悪口を、綺麗意外は適格に言っていたので、肩を掴んで良く言ったと顔だけで檄を飛ばした。


「やめてっ!?殺さないで!!」


 何で人間をそんな簡単に殺すのか?とにかく黙っていよう…するとクソみたいな演劇が始まった。


 ネトリ王子が言う。


「美しいアイカ姫、貴女はまるで薔薇の蕾」


 私が大きな声で合わせる。


「このクソ王子蛆虫はまるで栗の花、アイカ姫、お前はRタ◯プの敵みたいな顔とストーリー」


「ネトリ王子はまるで夜空に輝く星のようです」


「そう、コイツはもう死んでいる。そしてお前も城の先端に、刺さって死ね」


「アイカ姫…」「ネトリ王子…」


 私を無視して話が進む、その様子を見ていた鬼畜ヒロ団長が…


「ああ…アイ…アイがビメエ…」


 鬼畜のくせに未練がましいな。ヒロ団長。

 ここで慰める為に鎧を剥ぐとワープするんだろ?

 まぁまぁ…我慢してやる。悪役令嬢を知るためだ。

 突然ナレーションが流れる。


――you get character!――


 え?いきなりキャラクターセレクトになったぞ?

 何か城の中でそれぞれのキャラクターが首を鳴らしたり肩を回したりしてる。

 ネトリとか本気で選びたくねーな。

 コラボキャラクターで、鈴蘭だらけの騎士からカイゼル髭のビヨルンがいるな。


 ついつい強キャラ確定のコラボキャラクターでいきたいところだが私の目的は悪役令嬢だ。


 タツ令嬢を選ぶ、さぁ婚約破棄するぞ!


 選んだ瞬間にアイカ姫に回し蹴りをして壁に打ちつけた。

 そしてその勢いでネトリ王子の鳩尾に一撃、肺の空気を絞り出した後、金的を蹴り上げた。


「貴女!ニャんどすか!?」


 このムカつく喋り方と猫耳、どうやらネトリ王子の妹のネーコ姫、リアルでは真田音取の妹、通称ネコにそっくりの女がいたので、ケツの穴に剣の鞘を三分の一ぐらいまで突き刺した。


「ニギャアアアアッ!?」


 良し、後は…剣を引き抜いて王子の髪の横と後ろを刈り上げて上は不自然な髪型にした。

 つまり北の覇王カットだ。

 私は勝ち名乗りを上げた。


「これが本当の婚約覇気カットですわ!黒電話を乗っけてるみたいですわ!おーっホッホ『姫への狼藉は許さん!チェストゴオオオオオオオイ!!』ホウ!?」


 突然、何者かに後ろから切られた。

 ワープ以外の死に方したから話は進んでいると思うが…


 死ぬ直前にカイゼル髭のが見えた。


――悪役令嬢よ…行くのだ…――


 私は逝った。


――――――――――――――――――――で、


「おい、田辺某…カイゼル髭はチェストなんて言わないし、後ろからいきなり斬りつけないが…本編では我慢していたが…」


「いや、知らないよ…何でいきなり襲いかかったの?」


「だってキャラセレが格ゲーみたいだったから…」

 

「とりあえずいきなり襲いかかったら駄目だって、襲ったらゲームオーバーだよ?」


 じゃあどうしろっていうんだよ…



次回、コラボキャラクターで攻略を最速に!


※遊んでないと深刻なものが書けないんです(泣) 

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悪役令嬢商会の嫁 クマとシオマネキ @akpkumasun

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