第5話 本田翼が一緒に飲みませんか?とワインを持って現れた夢


部屋の扉をノックする音が聞こえたので出てみると、本田翼に似た女の子がワインボトルを抱えて立っていて「一緒に飲みませんか~」って言うんですよ…ええ、夢でなければ良かったのですが、もちろん夢です(笑)


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僕は友人と2人で石鎚山という四国最高峰へ登山するため、高知市内で宿を取りました。え? 石鎚山行くのに高知で宿って、ちょっと遠すぎへん? そう思った方は土地勘がある人ですね。石鎚山は愛媛県の山なので、高知で泊まるのはちょっと遠すぎで普通ではありません。


ええ。ただカツオのタタキが食べたかったんです。


ひろめ市場というところに、やいろ亭というカツオのタタキを食べさせる店があって、ここのカツオが美味いんですよ。そして、カツオは塩で食べるんですわ。食った途端、2人とも無言になりながら、黙々とカツオを口へ運ぶ。そして、司牡丹をクッとやると、最高に幸せだと感じるのですよ。


ホテルはひろめ市場のすぐ近くにあるビジネスホテルを予約してあった。ホテルのフロントへ行くと、本田翼そっくりの美人で、親切丁寧な応対で僕たちを迎えてくれた。


驚いたことに、彼女はこっそりと僕に小さな紙切れを渡してきて「住所と電話番号を書いてもらっていいですか?」言うんだよ。


そりゃあ、書きますよね? 普通。


僕は少々照れながら、差し出された紙に名前と住所、電話番号を記入して、彼女に手渡した。


ええ、もちろん宿泊者カードにですよ......(T▽T)


そして、ホテルの部屋番号を見るとなんと「424号室」なんだわー!!


なんだか不吉やないですか?「死による」なんて......4が二つも重なっとるがな! ( ̄□ ̄;)


昔は4とか9とか付く部屋は作らないと聞いてたけど、ビジネスホテルとかだと関係ないんかな?


いきなり、翌朝の話をして申し訳ないけど、朝目を覚ますと、となりのふとんから唸り声が聞こえてくるので、幽霊でも出たのかと思ったら、友人が腰をさすりながらウンウン唸っている。


どうしたのか聞いてみたら、丑三つ時に突如、金縛りにあったらしい( ̄□ ̄;)マジデ?


金縛りから脱出しようともがいて腰を痛めたらしい。じぇじぇ!!


まさかの霊出没。( ̄□ ̄;)


424号室の呪いか??


それとも......


飲みすぎなだけでは......


という気もしないではなかったが、


それをいうとケンカになるので、グッと飲みこむ。


天気は回復し太陽の日差しが見えてきて、さあこれから登山だという時に、まさかの負傷者出現。


友人は山に登れるんかいな??


友人が「君も、夜中うなされてたで」と言ってたので、僕も老婆の霊に首でも絞められてたのだろうか。


だが実は、僕はその晩、非常に能天気な夢を見ていまして……


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部屋の扉をノックする音が聞こえたので出てみると、フロントの本田翼に似た女の子がワインボトルを抱えて立っていて「一緒に飲みませんか~」って言うんですよ。ほんで、ワイワイ宴会をするっていう夢なんですね。


酔った本田翼がしなを崩して「もう...飲めない...」って言うんです。


「これは…」僕は生唾をゴクリと飲み込み、


(おーーっと、これはピンクっぽい展開か? 俺の性欲はまるでブレーキの壊れたダンプカーだーーーっ!)と思うやいなや、


いきなり友人がガバと立ち上がり、「うおー、もう我慢できん!」と言って本田翼に襲い掛かるという、まさかの展開に!!!


「やめれ! おれの翼ちゃんに何をする!」


ビックリした僕は、友人の服を引っ張って取っ組み合いになります。

そして、ひとしきり暴れまわった頃に、友人の唸り声で目が覚めたというわけで…


うわ~ん、俺の夢なのに! なぜ思い通りに行かないのか? 不思議で仕方がない。


まるで、天使と悪魔の葛藤のようなものが、深層心理に働いているのだろうか。というわけで、人生初のピンクっぽい夢は、友人の金縛りとともに泡と消えたという、悲しいお話なのでした。




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昨日みた夢の話でもしようか 星川新吾 @hoshikawa

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