第一章 口裂け女

~0から1へ~

朝、何も無いのに早くに起きた。

朝食の時間までまだ1時間ほどある、レポートも課題もある程度終わらせているし朝食の時間までの暇つぶしとして最近話題の携帯ゲームで時間を潰すことにする。

30分が経過し携帯ゲームを置いたなぜか時間の流れが遅く感じる。

こういう時の相場は速いものでは無いのか?そんな疑問を抱えつつ時間が過ぎるのを待つ。

もうそろそろ朝食を作り始めている頃だろう。

手伝いに行ったとしても恐らく追い返されるだろう。

一度、手伝おうとして致命的な失敗をしてから一度として料理の手伝いをさせて貰えてない。

そんなことを考えていたら友人からメールが来ていた。

俺はそれを確認しようとしたが内容は見なくてもだいたい分かる恐らく課題が終わっていないから写させてくれという連絡だろう。

対応すれば時間を潰すことはできるが写すだけでは本人の成長にならないから俺はそっとスマホを裏返し見ないようにした。

だが今からならあと30分ほど何科で時間を潰さなければならない。

俺は渋々、机の引き出しにしまわれたもう読むことも無いと思っていた小説を読むことにした。

あまり本を読むのは得意では無いがあと30分くらいなら大丈夫だろう。

朝食を食べ終えて俺、真島 虎次郎は荷物を持ち大学へ行くことにした。

いつも通りの道でバス停まで行き、バスを待っていたのだが今日は珍しくバスが少し遅れているようだ。

乗客の話を聞いたところ突然バスに何かに当たったような衝撃がして止まりだしたそうだ幸いにもバスは何も轢いていない。

まぁ恐らく運転の荒い車に少しかすったのが原因だろうな。

そう思うことにし、このことについて考えるのをやめた。

やがてバスは大学の近くのバス停に着き俺は少し遅れているから足早に大学に向かう事にした。

大学に入り、自分が受ける講義の教室に歩みを進めていると後ろから背中を叩かれた。

「よぉ、真島答え写させてくれてもいいじゃねーか」

と声をかけて来たこいつは、桐山 裕也、同じ講義を受けている友人だ。

「講義開始の時間までまだある。

ある程度は教えてやるから自分でやれ」

えーと言う声も聞こえたが無視をして裕也と教室に入り、課題の手伝いをする。その後、10分程で課題が終わりその五分後に講義が始まった。

講義が終わり裕也が話しかけてきた

「今日、珍しく陸斗休みだな」

篠宮 陸斗 こいつも俺たちと同じ講義を受けている生徒の1人いつもなら教壇近くの席を早めに取って自習をしているのに今日は教室中を見回しても陸斗の姿はなかった。

「そうだな」

俺はぶっきらぼうにそう答えた。

そんな他愛もない会話が終え、また次の講義が始まった。

それから昼近くまで講義を受け、昼食のために学食に向かう。

学食はもちろん昼時で賑わっていたが空いている席を取ってくれていた、東 智昭と合流した智昭と裕也との3人でお昼を食べることにした。

「そういや、アイリ先輩復学したらしいけど..」

裕也のそんな言葉に俺と智昭は動揺した。

あいり先輩とは本名、有本 藍莉でオカルトサークルの部長であり大のオカルト好き、少し頭のネジが取れている人でそのせいか一時期謹慎になっていた。

そのあいり先輩が復学したらしい恐らく俺と智昭が所属しているオカルト部は相当忙しくなるだろう。

そんな見たくない現実を見ないようにその事については触れなかったのに。

まぁどちらにせよオカルトサークルには顔を出さないといけないだろうから意味は無いんだろうが。

「とりあえず部室を確認とあの人を止めるためのものを用意して置こう」

今のところ俺たちができるのはこれくらいだろうそれに同意するかのごとく智昭が小さく頷いた

「お前ら、一体あの人に何されたんだよ...」

裕也が引き気味にそんな事を独りごちるように言った。

それから昼食を食べ終え必要なものを用意してオカルトサークルの部室に向かうことにした。

扉を開けて中を覗いたが想像通りそこには何かをしているあいり先輩がいた。

俺は彼女を止めるために持ってきていた爆竹を手に握りしめながら恐る恐る声をかける。

「あいり先輩何やってるんですかまた謹慎にされたいんですか?」

そういうと目の前のあいり先輩はこちらに振り返りながら

「真島くんよ、口裂け女という人を知っているか?」

なんて馬鹿みたいなことを聞いてきた

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平行線の向こう側 御槍 翠葉 @goyari_suiyou

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