第3話


 響はゴリサル世界に転移してしまった。

 コリン王女から事情は聞き異世界転移物、しかも巻き込まれ系であるとわかってしまった。


「何個か質問いいですか?」

 響はコリン王女に聞いてみる。


「はい。答えれるのであれば」

 コリン王女が頷く。


「勇者召喚に巻き込まれたってことはサル神の国に勇者が召喚されたって事だよね?ゴリ神のこの国は大丈夫なの?」

 響は疑問を聞く。


「はい。私たちの国はサル神の国より強いですから!戦闘は好きではありませんが力、防御どちらも優っています」

 コリン王女が説明してくれる。

 ゴリ人類は温厚で力もあり防御も高い。サル人類は素早さがあり悪知恵が高いと言われている。


「……そうなんですね」

 響は納得する。


「あ、あのー、私のことはどうか普通に接して下さい。響様に畏まられては、なんて言いましょうか……」

 コリン王女はゴリ神様から響様を頼まれたから客分、いやそれ以上の立場でなんか恥ずかしいとモジモジさせていた。


「いえいえ王女様ですよ!」

 響は王女様、王族だからしっかりとしないとと言う。


「いえ私なんかは全然、力がありません。そんなに偉くありません。それよりもゴリ神様のお客神様の方が……」

 コリン王女様が平伏し土下座してしまった。


「お客神?!そんなの思わないでください!」

 響がコリン王女を起こして言う。神のお客様だからお客神ってと密かに思うのだった。


「はい。響様はゴリ神様からくれぐれも不便をさせないようにと言われてあります」

 コリン王女がうる目で響を見つめる。


「様といらないよ」

 響は少し砕けた言い回しでコリン王女に言う。


「いえ!そんなー!」

 コリン王女はブンブン首を振るのだった。


 そうこうしているとゴリラが何頭か入ってきた。

「大変お待たせいたしました。ご案内いたします」

 代表して一人?一頭のゴリラが声をかけた。


「オホン。響様それでは王の元に案内します」

 コリン王女が響にいい手を出してきた。どうやらエスコートしてくれるみたいだった。響はコリン王女の手をとりエスコートしてもらうことにした。


 響はコリン王女にエスコートされ王の間にやってきた。

「おー!これはこれは響様ようこそ我が国、ゴリ国へ!」

 ザ・ゴリラの王冠をかぶったゴリラが挨拶した。


「王!まず名乗って下さい」

 コリン王女が王に名乗っていないことを指摘する。


「おおっとこれは失礼!ゴリ国国王マウンテンと申す」

 マウンテン国王が胸を張り言う。


「ままマウンテン!!」

 響は驚愕する。


「お主失礼じゃ!であえー!デアエデアエー!!こやつをひっ捕えろ!」

 一人?一頭のゴリラが響に対して怒声をあげた。


「やめなさいゴウン将軍!」

 コリン王女が静止しようとするが聞く耳持たないゴウン将軍が剣を抜剣して響を威嚇する。


「ヒィー!ななんでー!……あ、マウンテンって呟いたからか!!」

 響は悲鳴を漏らし自己解決する。


「いくら王女でも待てません!」

 ゴウン将軍は待てないと飛びかかろうとする。


「お客神でもですか!」

 コリン王女はゴリ神から信託を預かってお客神として扱うようにと言われていると言う。


「な、なにーー!」

 その場にいるゴリラ達が一同に驚く。


「はい。天啓を信託を受けお迎えにあがった次第であります。そして王に謁見したのです」

 コリン王女は今までの経緯を話す。


「響様、申し訳ありません。どうやら行き違いがあった見たいです。ひらにご容赦ください。お怒りは私の首で」

 コリン王女は謝り、とんでも発言をする。


「いやいや別に大丈夫だから!首とかいらないから!!」

 響は慌てて否定する。

 国王と将軍の安堵が聞こえたのだった。


 余談だがこの謁見が後々勇者との初謁見になる事はまだ知らなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゴリサル世界に飛ばされてハーレムを作る 翔吉 @SHO86

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ