転校初日
「東京から来たのに、地味そうな子だな~」
と転校初日に隣の席の男子から言われたとき、「いつか、こいつしばいたる」と心の中で強く思った。
私は高橋美咲、15歳の中学生である。
家庭の事情、いや親の離婚によって、母親の実家の山形に引っ越したのだ。
山形に引っ越した当時、私は都会と田舎の落差に愕然した。
学校帰りに通ってたカラオケ、マクドナルド、スタバがない。
せいぜい学校の近くにあるのはコンビニ、少し歩いてユニクロぐらいで、学校付近では田んぼ、山しか見えない。
「私の青春はどうなるの!? 都会みたいにお店がなくて、田んぼしか見えないよ、もう~~」と母親に口答えしてみたが、母親はため息をつきながら、「あんた、何度も山形は田舎だよと言ったでしょ、学校に行けば、生活が楽しくなるよ」と言われたが、美咲は不満そうにご飯を食べた。
そして、次の日転校初日。
暑いセミが辺り一面鳴く季節に、美咲はドキドキ、不安そうに学校に向かった。
「東京から来ました、高橋美咲です、よろしくお願いします」
と転校初日のクラスメイトに笑顔で爽やかに挨拶をして、美咲自身も、「我ながら好印象」と思ったにももかかわらず、隣の席の男子から
「東京から来たのに、地味そうな子だな~」
と言われて、つい美咲は鬼のような顔で男子を睨みつけてしまい、最高のスタートではない、むしろ最低のスタートから、美咲の新生活は始まった。
夏が終わる前に @ikura0821
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