夏が終わる前に
@ikura0821
プロローグ
――『美咲、これからずっと一緒にいような』
あの頃の私はこの日常が当たり前に続くと思ってた。
幸福も不幸も、その運命の巡り合わせに人は逆らうことはできない。
あの時、あの場所にいなければ。
ドラマや映画のようにタイムマシンがあれば良かっただろうと何回思ったか
わからない。
悔やんでも、悔やみきれなくて、何度泣いたかわからない。
母から「いつかきっと傷が癒えるときがくるよ」
と言われたが、心臓の中に悲しみの十字架が共存しているようで、とても信じられなかった。
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