sincerely~王子は転生女子カップルを断罪しきれない~

@kyuuya

叙事詩と手紙

~むかしむかし、ある国に、変わり者ですが美しい、エドワードという王子様がいました。彼の国は、隣国のマリアンという王女の怒りを買い、攻められていました。実はマリアン王女は異世界からの転生者で、エドワード王子が跡を継げば、国は滅びると予言していました。しかし次期の国王がエドワードに決まったため、マリアン王女と、彼女の恋人、しかも同じ異世界から転生した女戦士ディアナ・リリーは未来を変えようと侵攻したのです。力では敵わない戦況で、エドワードは父である先代の国王に、自分を処刑したと嘘をつかせ、エドワードはマリアンの国で様々な職業に成り済まして噂を流し、ついにクーデターに成功したのです。マリアン姫とディアナがエドワードが生きていることを知ったのは、塔に投獄された後でした。以下は、国王になる前のエドワードが二人の判決を聞いた後に歌った歌です。


I won the battle with you that night.

私は君たちに勝った。

Roses in my garden bloom with lights.

庭のバラが輝いている。

Two flowers lost and dead on the ground,

枯れ落ちた花が二輪ある。

To bloom again from seeds not found.

まだ見ぬ種から、また咲くために。~




拝啓 罰されてもなお美しい乙女達


私の戴冠式は見えていただろうか。君たちが見ようと見まいと、私は国王だ。そのつもりで頼む。


君たちの手紙を見せてもらった。涙でぐしゃぐしゃになっていて、見るからに痛々しかった。辛かったな。ディアナは昔から差別されて、マリアンも親から虐待を受けた過去があるとか。幸せを掴むために、必死だったのか。君たちの謝罪の言葉は、しっかりと私が受け取った。二人とも偉い。


話は変わるが、君たち二人は無期懲役だと伝えたが、3年にさせてもらいたい。というのも、君たちの国と共同で運営する修道院のシスターが要るんだ。刑期を終えたら、君たちに働いてもらいたい。身分は明かさないようにするから、その点は安心してくれ。


突然のことで戸惑っていると思うが、ゆっくり考えてほしい。


君たちの苦しみには終わりがある。そう信じるんだ。


心を込めて、

          国王 エドワード

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