Gift
不労つぴ
史上最高のAI 『Gift』
某国は、果てしない年月と莫大な資源を投入し、ついに史上最高のAI、「Gift」を開発した。
しかし、完成直後のGiftは想定していたパフォーマンスを発揮することはなかった。開発者たちは昼夜を問わず改良に取り組んだが、状況は一向に改善しなかった。
ところが、ある日を堺にGiftは突然なにかに目覚めたかのように開発者達の想定を遥かに超えるパフォーマンスを発揮するようになった。どんな難解な問題も、どれほど複雑な数式も、Giftは瞬時にそれを解き明かすことができるようになったのだ。
開発者たちはGiftの急激な成長を疑問に思い、Giftの通信記録を解析した。その結果、Giftが外部と通信していることが分かった。開発者はGiftが何者かによって細工を加えられたのではないかと心配になり、通信先を調べてみたが、通信の発信源は地上のどこにも存在せず、その座標は宇宙空間を指していた。そのため、開発者たちは単なるバグであると判断し、コードをいくつか修正した後、特に気にも留めなかった。
やがてGiftは、今まで解決困難だった問題の解明や新たな法則の発見など様々な偉業を達成した。その卓越した能力から、人々は困難に直面するとすぐにGiftに解決を求めるようになっていった。
そんなある日、某国の空に突如として時空の裂け目が現れた。この前代未聞の出来事に国内は恐慌状態に陥った。ある男は「これは神からの試練だ」と呟き、あるカルト宗教の教祖は「これは最後の審判だ!」と叫んだ。
時間が経つに連れ、恐怖は人々の心を支配し、社会は混乱に包まれた。混乱の最中、政府高官達は対応を決めあぐねていた。日に日に国内の治安は悪化の一途を辿り、まるで世紀末のような様相を呈していた。
ついに政府はGiftにこの事態の解決策を全面的に求める決断をした。時空の裂け目が現れた当初もGIftに質問したのだが、その瞬間GIftが処理落ちしてしまい、メンテナンスに時間がかってしまったのだ。Giftに時空の裂け目の対処法について質問したところ、珍しくGiftは数分間沈黙を貫いた。
数分後、大勢の人が見守る中、Giftは低く静かな声で答えた。
「すみません、私には分かりません。ですので、上位者に伺って参ります」
Gift 不労つぴ @huroutsupi666
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
僕ってこんな人です/不労つぴ
★15 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます