ポゥさん、あそびにいく
森で迷子になった時に出会い、一緒に帰り道を探しているうちに友達になったポゥさんとユアちゃん
今日もユアちゃんと遊ぶために、ポゥさんは森の中にある自分のおうちから走って森を
そしてユアちゃんのおうちに
「ユーアーちゃん! あーそーぼっ!」
するとおうちの中から、ポゥさんが来るのを待っていたユアちゃんが出てきました
「ポゥさん、こんにちわ! 今日は何して遊ぶ?」
「うーん…… どんぐり拾い?」
「それはこの前やったでしょ?
「じゃあ、どっちがいっぱいおやつを食べられるか
「それはポゥさんがおやつを食べたいだけでしょー?」
「ふふーん! バレちゃった? じゃあ…… ボール遊びは?」
「うん、いいよ! それじゃあ、あっちにある
「うん!」
そして二人は村の中にある広場まで歩いていくと、広場では他にも村の子供が遊んでいました
「あっ! ユアちゃんとポゥさん! こんにちわー!」
スラッと足の長い
「こんにちわ! 二人とも仲良しねー」
白くて小さなウサギの女の子、ミミちゃんが二人でバトミントンをして遊んでいました
「レイナちゃんとミミちゃんもいたのね! じゃあみんなで一緒に遊びましょ! ポゥさんもいいよね?」
「うん! みんなで遊んだ方が楽しいもんね!」
そしてポゥさん達は、ユアちゃんの友達、レイナちゃんとミミちゃんと四人で仲良くボール遊びをすることにしました
「えーい! ポゥさん、そっちにいったよー!」
「あわっ、わわぁっ! ……ふーん!」
「あははっ! ポゥさんのお腹、すごーい!」
バレーボールをしているみたいに、ボールを
そんなポゥさんの
「ふふーん! 危なかったぁー、ユアちゃん、そっちにいったよー」
「えっ? わぁっ…… あっ、落としちゃったぁ……」
すると、ユアちゃんはポゥさんを見て拍手をしていたので、高く上がったボールを取れずに地面に落としてしまいました
「ふふん、ユアちゃんおしかったね! でもまた最初からやって、次はもっと続くようにみんなで頑張ろうね!」
「うん、そうだね…… あっ!」
ユアちゃんが
「へっ! 良いボールを拾ったぜ! オレの方がボール遊びが上手いから、このボールはオレのものだ!」
「あなたは…… サっくん? 違うよ! それはあたしのボールだよ?」
「へへん! 返して欲しかったらここまでおいでー!」
「今遊んでるんだからダメだよー、返してよー!」
なんと、後ろにいたおサルのサっくんはポゥさん達が使っていたボールを持っていこうとしています
ユアちゃんはあわててサっくんを追いかけますが、足の速いサっくんが走り出すと追いつくことができませんでした
「うぇーん、返してよぉー!」
「コラー! ユアちゃんにイジワルして泣かせちゃダメなんだぞー!」
「へん! ちょっとからかっただけなのに泣き出す方が悪いんだよ! そんなに返して欲しかったら、オレと
「ふん! いいよ! ボクが勝ったらボールは返してね! それと…… ちゃんとユアちゃんに『ごめんなさい』してもらうからね!」
そして、ポゥさんとサっくんはボールをかけて勝負することになりました
「まずはかけっこで勝負だ! あそこにある大きな木に最初に着いたほうが勝ちだからな!」
「うぅっ…… わ、わかった!」
走るのが苦手なポゥさんでしたが、ユアちゃんのボールを取り返すために頑張ろうとかけっこ勝負をすることにしました
「……ポゥさん、大丈夫なの?」
「う、うん…… ボク、頑張るよ」
走るのは苦手だけど、友達であるユアちゃんにイジワルするサっくんには負けたくないと、ポゥさんは『ふん!』と鼻息を出して気合いを入れました
「へへん! そのポンポコリンなお腹でオレに勝てるかなぁー?」
「や、やってみないとわからないよ! 負けないぞー!」
「それじゃあ二人とも……
そしてウサギのミミちゃんの合図で走り出したポゥさんとサっくん
だけど……
「へーん! 遅いぞー!」
「ぶっ、ひぃ! ぶっ、ひぃ!!」
ポゥさんは一生懸命走りましたが、足の速いサっくんはどんどん先に進み
「ゴール!! へへーん! オレの勝ちぃー!」
「ぶっ…… ひぃぃぃ…… うぅっ、負けちゃったぁ……」
先に大きな木にたどり着いたのはサっくんでした
「オレはかけっこには
「そ、そんなぁ……」
足は遅いけど最近ユアちゃんと遊ぶためにいっぱい走って村へ来ていたポゥさん
もしかしたら勝てるかも、と思っていたので負けて落ち込んでしまいました、でも……
「ポゥさん、前よりも足が速くなってるよ! すごい、すごーい!!」
「ふふん、そ、そうかなぁ…… えへへっ」
かけっこでは負けたけど、ユアちゃんが一生懸命走った姿をほめてくれて、ポゥさんは少し嬉しくなりました
「つ、次はハンデでおまえの好きな勝負でいいぞ!」
「次は…… あっ、そうだ! 次の勝負は……」
するとポゥさんは自分の背負ってきたお気に入りのリュックの中をガサゴソ
そしてリュックの中から取り出したのは大きな袋で、その中には大きなクッキーがいっぱい入っていました
「これはママンが
「クッキーを食べるだけの勝負だなんてラッキーだぜ! へへん、またオレの勝ちだな!」
そして、ポゥさんはリュックからナプキンを出して、その上にクッキーをそれぞれ五個ずつ並べました
「ママンがいっぱい焼いてくれたし全部食べるのは大変だから、この五個を先に食べたほうが勝ちだよ!」
「五個も食べていいのか? へへっ、よーし…… 負けないぜ!」
それでもまだクッキーは残っていたので、ポゥさんはユアちゃん達にあげることにしました
「あと残りのクッキーはユアちゃん達が食べてね!」
「わぁー! ポゥさんのママが作ってくれたクッキー、おいしいのよね!」
「おっきいクッキーですね」
「わたしは一つでもお腹いっぱいになっちゃいそう」
そしてクッキーを食べながら勝負を
「よーい…… スタート!」
「へへっ、いただきまーす…… んまっ! んまっ!」
サっくんは両手に大きなクッキーを持ち、
そしてポゥさんは……
「ふぅ…… ふん! モグモグモグモグ!!」
ポゥさんはすごい早さで大きなクッキーをパクパク! 五個あったクッキーをあっという間に食べてしまいました
「ふふーん! ボクの勝ちー!」
「もぐもぐっ!? ……ま、負けたー!」
サっくんも二個は食べましたが、ポゥさんに勝てませんでした
「んー! ポゥしゃん、すごーい! もぐもぐ……」
ユアちゃんもおいしそうにクッキーを食べながら、勝ったポゥさんを見て喜んでいます
「ボクの勝ちだけど…… せっかくだからゆっくり食べてよ、ママンのクッキーおいしいでしょ?」
「そ、そうか? それじゃあ…… もぐもぐ……」
「ポゥさん、こんなに食べ切れないから一緒に食べよー?」
「うん!」
次の勝負をする前にみんなで大きな木の下に座りおやつを食べ、休んでから最後の勝負をすることになりました
そしてみんなクッキーを食べ終わって、ポゥさん達の最後の勝負……
「……じゃあ最後は
サっくんは目の前にある大きな木を
「き、木登り!? ボク、木登りなんてできないよぉ……」
「木登りもできないのか? ぷぷぷー! じゃあオレの勝ちだな……」
「……サっくん!! ポゥさんにだって苦手なことはあるのよ!? それを笑っちゃダメなんだから! ……代わりにあたしが勝負する!!」
「ユ、ユアちゃん!? 危ないからダメだよぉ……」
「大丈夫! あたし、木登りしたことあるもん! それに元々あたしのボールを取り返す勝負だから、あたしが勝負するの!」
大事な友達のポゥさんが木登りが苦手なことを笑われて、ユアちゃんは怒ってしまいました
そしてポゥさんの代わりにユアちゃんは、サっくんと木登り勝負をすることになりました
「じゃあどっちが高く
するとサっくんはヒョイヒョイっと、あっという間に高いところまで登って行きました
「ほっ! はっ! ……へへーん! オレはここまで登れたぜー! よっ…… と! 次はユアの
サっくんは大きな木のまんなかくらいの高さまで登るとスルスルとおりてきて、ユアちゃんにそう言いました
「ユ、ユアちゃん、あんな高いところまで登ったら危ないよ? やめておこうよ」
ポゥさんはユアちゃんが
「……だ、大丈夫だもん! サっくんが出来るならあたしだって登れるもん!! よい…… しょ!」
でもユアちゃんはポゥさんの言うことを聞かずに木に登り始めました
ゆっくり、ゆっくりと上に登っていくユアちゃん
「あわわっ…… ユアちゃん、大丈夫かなぁ……」
ポゥさんはユアちゃんが心配で、木の下でアワアワしながら見守っています
「んっ…… しょ、んっ、しょ……」
そして、サっくんよりはゆっくりとした登りかたですが、ユアちゃんはサっくんよりも高いところまで登ることが出来ました
「うわぁー! ユアのほうがオレより高く登ってるー!! 負けたー!!」
サっくんが自分よりも高く登ったユアちゃんを見て、
「そんなところまで登れるなんて、ユアちゃん、すごいよ! ……あれ? ユアちゃん?」
「あ、あたしの勝ち…… うぅぅっ……」
ポゥさんはユアちゃんが頑張って木に登った
だけど勝ったユアちゃんはあまりうれしそうにしていなくて、木にしがみついたままおりてきません
「ユアちゃん、どうしたのー?」
「うぅぅ…… ポ、ポゥさぁん、恐くて木からおりられないよぉー!」
木の高いところまで登ってしまったユアちゃんは、あまりの高さに恐くなってその場から動けなくなってしまったみたいです
「えぇぇー!? ど、ど、どうしよう!!」
どうしていいか分からずにその場であたふたしているポゥさん
「
「わ、私も一緒に行きます!!」
ユアちゃんの様子を見たミミちゃんとレイナちゃんは、あわてて大人を呼びに行きました。
「オ、オレが助けに……」
「キャー! 木を
サっくんは助けに行こうとしましたが、登ろうとすると木を揺れてしまい、ユアちゃんが恐がって登れません
「あわわ、あわわ、どうしよう! どうしよう! ユアちゃんが大変だぁ!!」
「助けて、ポゥさ…… あっ!!」
すると、ユアちゃんが手でつかんでいた木の枝がポキリと
「ユ、ユアちゃん!!」
「キャアァァァー!!」
ポゥさんは落ちてしまったユアちゃんを助けようと急いでユアちゃんが落ちてきそうな場所の下へと走って……
「ユアちゃ…… ぶふぅっ!?」
……行こうとしたら、石ころにつまづいて、ゴロゴロゴロリン! と転んでしまいました
「いたたっ…… あぁっ!!」
「キャアァァーーー!!」
転んでしまったポゥさんが目を開けると、真上からユアちゃんがポゥさんに向かって落ちてきていました!
「わぁっ! ……あっ! ……すぅぅぅーー!!」
このままじゃユアちゃんとぶつかってしまう! と思ったポゥさんは、大きく
そして……
……ポヨン!! ……ポヨヨン、ポヨヨーン!
「キャアァァ…… あぁっ! わっ、わぁぁ……」
「ぶひゅっ!! ぷっ、ふぅ……」
ポゥさんのお腹の上に落ちてきたユアちゃんは、ポゥさんが膨らませたお腹がクッションになり、お腹の上でポヨンと跳ねました
「わぁぁ…… ポゥさん、ありがとう! ふわふわのお腹のおかげで痛くなかったよ!」
「ぶひゅっ、よ、よかったぁ……」
ポゥさんが石ころで転んだおかげで、木から落ちてしまったユアちゃんはケガすることなく助かりました
その後、ミミちゃんとレイナちゃんが呼んできた大人の人や、話を聞いたユアちゃんのママに危ない遊びをしていたことを怒られたりもしましたが
「んふふっ! ポゥさんが助けてくれたの!」
「ユアを助けてくれてありがとね、ポゥさん」
「ふふーん! 気にしないで! ユアちゃんとボクは友達だからね!」
ユアちゃんとユアちゃんのママに
そして……
「ユア、イジワルしてごめんなさい……」
「もう! 今度からは一緒に遊びたいならちゃんと『遊ぼう』って言ってね!」
「はい……」
「じゃあ許してあげる!」
サっくんがユアちゃんにちゃんと『ごめんなさい』をして仲直りしたのを見てから、ポゥさんは自分の家へと帰りました
「ポゥ! こんな泥だらけになって! ヒザもすりむいているじゃないの!」
ユアちゃんを助けるために転んでしまって
「そんな危ないことをして! ダメじゃないの! でも……」
ママンは怒りながらもポゥさんを抱きしめ、頭を撫でてくれて
「ポゥがユアちゃんを…… 友達を頑張って助けようとする優しい子でいてくれて、ママンは嬉しいわぁ」
ママンにも怒られたけど、それ以上にいっぱい褒めてもらえて、
ブタのポゥさん ぱぴっぷ @papipupepyou
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