第52話 だから触ったら逮捕なんだって!




冒険者ギルドで登録を終えたボクたちは屋敷に戻っている。


「レオン、あのグライズとかいう男には気をつけなさい。」


「ん~、まぁそうだね。」


「あいつの魂はもう救いようのないほど闇堕ちして腐っているわ。」


「闇堕ちねぇ…あれかな?

包帯を巻いた左手が疼いたり

カラコンの右目を眼帯で隠したり

無駄なシルバーアクセが嫌味だったり?」


「そっちじゃないわ。悪事を働き過ぎて地獄逝きが確定してるヤツよ。」


「マジかぁ…」


確かに嫌な気配ダダ漏れだったもんなぁ。

セラフィを見る目が完全に紳士ロリコンだったしなぁ。

ただのエロい人ってわけじゃ無いって事だな。


「ティナ?」


「おそばに。」


おぉ!かっこいいな!

セラフィの後ろにスッと現れたぞ!


「誰か手の空いてる者にグライズとその周りを調べさせて報告して。」


「わかった。です。」


あ、それまだ続いてたんだ?



・・・・・・・・・・・・



依頼を終えてギルドに戻ってみるといかにも登録したてって感じの2人組がいた。


両方ともかなりの上玉じゃないか!

へへっ、まずはお近づきになるかぁ?


「やあ、見かけない顔だね♪

新人さんかな?」


「はぁ、今登録したてなので新人ですね」

「なにコイツ?キモ。」


キモ?あれ??聞き間違いか?

俺はかなりのイケメンで通ってるんだが??


「ハハ、手厳しいね」


い、いかん、初めて悪態をつかれたからか顔が引きつってる…

いや!まだだ!


「まあ、困った事があったらいつでも頼っておいでよ♪

出来る範囲内なら助けてあげるからさ。

僕はAランクパーティー

『ゴールドスネイク』のリーダーのグライズだ。」


「はぁ、Eランクのレオンです。」

「・・・・・。」


「ハハハ、そちらのレディは照れ屋さんのようだね」


チッ


無視…この俺が無視されただと!?

あのメスガキィ!

絶対に泣かせてやる!

俺様の味を覚え込むまで何度も何度も何度も何度も!!!

メスガキがおねだりするようになるまで快楽漬けにして俺様に犯される事を泣いて喜ぶように調教してやるからな!

へへへ!想像するだけでおっ勃つぜ!


それから養豚場に…いや待て、

養豚場に卸すには上玉過ぎる。

豚みたいな貴族にあてがうのは勿体ねぇ!

俺様のコレクションに加えて大人になるまで可愛がってやるか!

あと男の子もかなりのもんだ。

あんな綺麗なガキは見たことねぇ。

あいつは高く売れるぜぇ?

まずはじっくりと味見してみてぇ!

そうだ!

メスガキの前であの男の子を犯して絶望させてってのも悪くねぇな!


まずは身元の調査から開始だ!




数日後


「リンク、あの2人の身元はわかったのかな?」


リンクはゴールドスネイクの斥候だ。

こいつに任せておけばどんな情報でも手に入る。

金がかかるのが難点だがそれだけの情報を持ち帰ってくれるからな。


「グライズ…あの2人は変だ。

俺は手を引く事を勧めるぜ。」


「あんな年端もいかない子達の何が変なんだい?君らしくもないね。」


「あの2人は学園に通ってる可能性がある。平民とは思えない言動だしギルドに来る時間が週末以外は必ず午後以降なんだ。

奴らが受けたクエストにも尾行して行くんだが見失っちまう。しかも街中で。」


「君が?冗談だろ??」


「冗談なもんか!毎回同じ場所で見失うんだよ!まるで消えてしまったかのようにそこに居た痕跡すら残ってねぇんだ!

あ…すまねぇ。興奮しちまった。」


「ふーん、本当みたいだね…」


「それだけじゃねぇ。

あんたから依頼された日からずっと何かに見られてる気がするんだ。」


「リンクも隅に置けないねぇ、誰かに惚れられたかな?」


「チッ!聞く気がないなら依頼はキャンセルだ。金もいらねぇ。」


「ハハハ、可愛い冗談じゃないか、そんな事言わないでくれよ」


「これはパーティーメンバーとして俺からの忠告だ。何かが掴めるまで絶対手出しするんじゃねぇ。

またゴールドスネイクで依頼を受ける時に呼んでくれ。それまで俺は目立つ行動はしないように地下に潜る。

じゃあな。」


リンクがイモった。

こんな事今まで一度だってなかった。


学園に通ってるだぁ?

ってことは貴族かそれとも優秀な平民か…

平民は無いな。

基本的に貴族の子供なんて容姿が整ってて当たり前なんだ。

世継ぎの為に見た目と性能を重視して子作りしてるんだからな。


でだ、冒険者になろうって貴族の子供なんて金を持ってない低級貴族に限られてくるんだよ。


だから俺達みたいなのは何も気にせず仕事が出来るんだがな。



・・・・・・・・・・・・



は?

また消えた!?


この路地はムチャクチャ調べた。

あのガキどもが隠し通路みたいなモノを利用していると思ったからだ。

だが調べても調べても何にも出てきやしねぇ。

だいたいこっちは魔力まで使ってあいつらの後を尾行してるんだ。

見失う事自体有り得ねぇ。

でも実際はこの路地裏で毎回見失っている。

奴らがギルドに入ったのを確認してからいつもの路地裏に先回りして待ち伏せしたこともある。

その時は次の朝まで誰も…猫の子一匹すら現れなかった。


意味がわからねぇ。


ギルドの職員も冒険者達もまるで箝口令がしかれてるみたいに知らないの一点張りだ。

いったいどうなってやがる…




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能あるボクは爪を研ぐ にゃんぺろ @ponyami

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