第2話堕落的
僕と村上司の関係は、それから急速に変わっていった。彼女と別れたことで心にぽっかりと空いた穴を、彼の存在が埋めてくれたのだ。最初はただの友達だった。だが、何かが変わり始めていた。
彼は、学校では目立つ存在で、いつも周りに笑顔を振りまいていた。しかし、俺の前ではその笑顔の裏に隠れた寂しさや孤独を見せることがあった。お互いに似たような孤独感を感じていたのかもしれない。彼女を失った悲しみを抱えていた俺と、何かを抱え込んでいた彼。そんな二人が、自然と引き寄せられていったのだ。
ある日、放課後の教室で、俺たちは二人だけになった。外はもうすっかり暗く、教室の窓からは夕闇に染まる街の風景が見える。静まり返った教室に、俺たちの声だけが響いていた。
「瑞希、お前さ、最近本当に変わったよな。前はもっと明るくて、バカなことばっかり言ってたのに、今じゃそんな感じしないよ。」
司は、俺の顔をじっと見つめながら言った。その目には、心配そうな色が浮かんでいる。
「まぁ、いろいろあったからな。でも、お前がいてくれたから、俺、どうにかやってこれたよ。」
俺は、素直な気持ちを彼に伝えた。彼がいなければ、俺はどうなっていたか分からない。
「俺さ、瑞希のこと、前からずっと気になってたんだ。だけど、お前には彼女がいたから、言えなかった。」
司の言葉に、俺の心臓が大きく跳ねた。何かが胸の中で弾けたような感覚があった。
「それで、今こうやって二人きりで話してると、なんか変な気持ちになるんだよな。俺たち、ただの友達じゃいられないのかも。」
司は、俺の手をそっと握った。その瞬間、俺たちの間にあった見えない壁が崩れたような気がした。
「司、俺もお前のことが気になってた。でも、そんなこと言えなかったんだ。俺たち、男同士だし、変だろ?」
俺は、正直な気持ちをぶつけた。男同士でこんなことを感じるなんて、今までの俺なら考えられなかった。
「そんなことないよ。俺は、お前と一緒にいるとすごく安心するし、楽しい。だから、もっとお前のそばにいたいんだ。」
司の言葉に、俺は自然と笑顔がこぼれた。彼の手のぬくもりが、俺の心を温めてくれた。
その日から、俺たちの関係は変わった。友達以上、恋人未満のような微妙な距離感で、でも確実にお互いを意識するようになった。
「瑞希、お前と一緒にいると、なんか安心するんだよな。俺たち、これからもずっと一緒にいられるといいな。」
司は、俺にそう言って微笑んだ。その笑顔を見たとき、俺は心の中で決めた。彼と一緒に、これから先もずっと一緒にいようと。
こうして、俺と司の新しい関係が始まった。それは、これまでの友達としての関係を超えた、新しい絆だった。そして、これからも俺たちの面白おかしい日々は続いていくのだろう。
堕闘 白雪れもん @tokiwa7799yanwenri
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