第22話
「ねぇ、
泣き止んだ
「どうしたんですか?」
「……今から言うことを、信じてくれる?」
――どうしたんだろう?
でも、
私は、私は――。
「信じます。」
その後に、覚悟を決めたような勇ましい表情を浮かべ、口を開いた。
「私と……
――え…………?
どういうこと?
なんで……?
「え、え? なんで、ですか?
だって2人とも苗字違うし、今まで仲良さそうな素振りだってみせなかったじゃないですか。」
「――
自分でも、目が見開いているのがわかる。
そういえば、2人の親が宝石病で亡くなったって……。
「そこにいた
声が出ない。
――でも、なんで苗字を変えなかったんだろう?
彼は、その苗字を厭っていた。
それなら、変えればよかったのに。
「引き取ったのは、
嘘。
そんなに小さい時に親を失ったの?
まだ、「愛情」を受け止めきっていない時に。
まだ、「世界」が何か、分からない時に。
――もしかして。
「
だから、それがどんなに嫌でも宝物を大事にしているのではないだろうか。
「
ふいに、君に会いたくなった。
君に会って、謝りたい。
もう、引かないよ。
私、このままじゃ下がれない。
「あと……。」
「ちょっと、
でも、私は止まれない。
私は、病室のドアを開けて
――この前は、ここで駄目になった。
だから、次こそは。
「失礼します。
謝罪と、感謝を。君へ。
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