空っぽだった屋上に咲く、二輪の深紅。

 バレー部の横田さんの告白シーンが一番の山場かな~って思いながら見てたら違った。
 春花の独白のシーンは久しぶりに胸が痛くなったし、なんだか青ブタを初めて読んだときの気持ちも思い出した。
 決してロマンチックな表現や心情描写が多用されている訳ではないが、展開やセリフで青春の雰囲気が上手に醸し出されている。
 多少の荒削りさも同時に若さ故の勢いに繋がっていて、読んでいて飽きなかった。

 「空の屋上」という題名も、複数の意味が掛けられていて読後感もいい。

 展開と勢いで魅せる、野々宮氏の良いところがうまく噛み合った一作。面白い。

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