独立
僕がアイランク侯爵家の当主になっていた頃。
戦場の方ではまた一つ、大きな異変が起こっていた。
それはニルシア小国とカルミア王国の間へと挟まるようにロイマール王国が独立を宣言し、それに合わせて、ロイマール王国の王族の末裔、ピリア・ロイマールが戴冠を宣言したのだ。
「いや、ごめんね。本来、君たちのものであった領地を返還できなくて。流石にそれをやると僕の立場が不味くて」
「いえいえ、アイランク侯爵家の当主となったアカギ様が独立を容認するような発言をしてくれただけで十分でございます」
そんな中、僕は当主となって地盤固めを最低限行った後、すぐさまこのロイマール王国の方へとやってきていた。
その理由は当然、ロイマール王国の国王となったピリアに会うためである。
「ようやく、我々は独立を成し遂げることが出来たんですね……これで、ようやく墓前の前に立てます」
「それならよかったよ。君たちの統治は僕の方で最大限にサポートするつもりだから。末永く、友に友好関係を築いていこう」
「えぇ、もちろんにございます。アカギ様……」
僕の言葉に対して、ロイマール王国のピリアはこれまでの関係と同じような態度で自分へと恭しく頭を下げてくる。
「もう僕のことはアカギと呼ばなくていいし、敬語じゃなくてもいいよ」
そんなピリアに対し、僕は冷静に言葉を返す。
「もう君はレジスタンスのトップではなく、栄えある一国の主なのだから。これまでの態度じゃよろしくないと思うよ……まぁ、僕の方も態度を変えろって話なのだけど」
「いえ……それでも、私にとってアカギ様は永遠に自分のトップにございます。国王として、その立場が問題であるということはわかっております。それでも、これまでの道のりで受けてきた恩恵。それらを私はまだ全然返せてはおりません」
「だとしても、君は一国の主だ。そんな態度で外交なんて出来ないだろう?」
「わかっております。当然、正式な場であれば私の方も言葉遣いを改めます。それでも、二人きりの時はアカギ様とこれからも慕い続けてさせてほしいのです。今の、カエサル様のように、二人きりの時くらい許してはくれませんか?」
「いや、慕われることに文句はないから当然良いけどね?それに、僕も痛いところ疲れたから黙るしかないね。ただ、それでも、国王であるという自覚だけはお願いね」
「わかっております」
「それじゃあ、これからもよろしく頼むよ。約束を果たした後も、僕は君との縁を切るつもりないから」
「当たり前です。これから、新しい立場としてよろしくお願いします」
僕は新しく出来た国、ロイマール王国の国王であるピリアと握手を交わし、その友好を確認し終えるのだった。
■■■■■
新作です!
『悪役貴族に転生した僕は主人公を倒せるくらいの世界最強となり、悪役らしく女を囲って自分の思うがままにこの世界を自由に生きて好き放題に無双する』
『https://kakuyomu.jp/works/16818093082544194896』
自信作なので、読んでくだせぇっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます