狼煙
流れが変わった。
これまでカルミア王国を圧倒的な力で押しとどめていたニーナの動きを止められた結果。
「我ら王の剣っ!」
「「「我ら王の剣っ!!!」」」
カルミア王国の軍勢は氾濫した川のように前へ前へと進んでいく。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ」
それに相対するのは小さな小さなニルシア小国の軍勢だった。
カルミア王国を津波とするなら、ニルシア小国の軍勢は最早、石でしかない。
「負けるんじゃねぇぞ!!!」
だが、それでも、津波を止められるのは何もニーナだけという訳じゃない。
ガイアも魔法をより一層に輝かせてカルミア王国軍の動きを跳ね返すとともに、ガイアと共にやってきていた強者たちも動き出す。
「ガイア殿下に我らも続けェェエエ工!!!」
「「「おぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお」」」
小数とはいえ、帝国の兵士たち。
カルミア王国軍を前にしても強さを見せ、敵を吹き飛ばしていく。
ガイアの強化を受ける帝国の兵士たちが持つ力は異次元なほどであった。
「お、俺も……」
「ここは、俺たちの国だぞ」
「俺らが動かなくてどうする!?背後には誰がいる!この地には誰が眠る!俺たちの守るべき家族だ!俺たちの祖先だ!俺たちが、俺たちが動くのだ!」
「っごく、行くぞ……」
「「「おぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお」」」
そして、そんな帝国の兵士たちに触発されたニルシア小国のもの達も動き出す。
それからこの地に降りるのは血なまぐさい戦場である。
ガイアの魔法で自身の力を高める帝国とニルシア小国の兵士が、カルミア王国の軍勢に抵抗を見せる。
ただ、それでもひとつの事実としてカルミア王国の兵士たちは強く、ニルシア小国はどんどん劣勢へと追い込まれていく。
「このままだと……」
このままでは全滅させられる……そして、もし、撤退したとしても大きく人数に差のある現状でどれだけ生き残れるか……そんな状況の中。
「我らも続けぇー!!!」
唐突に現れた一団。
武装した者たちの、ニルシア小国ぐらいの兵力がいきなりカルミア王国の方から現れ、そのままカルミア王国の兵士たちの背後を強襲するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます